器質性EDは治せる?何が原因で起こるEDなの?
器質性EDってどういうED?
EDは勃起機能が低下し「性行為が満足に行えない状態」と定義されています。日本語では勃起障害や勃起不全と呼ばれています。
たまに勃起しないこと、途中で萎えてしまうことは誰でもありますが、性行為が十分に行えない状態が3ヶ月以上続く場合はEDの可能性が高いです。
EDは大きく分けると「器質性ED」と「機能性(心因性)ED」に分けられます。器質性EDは機能性(心因性)EDと違い、血管障害や神経障害など、原因がはっきりしています。
そのため、日々の生活習慣などを見直せば改善が期待できる場合もあるのが特徴です。
器質性EDの原因って?
器質性EDの原因は主に3つあります。
器質性EDの原因となること
- 血管障害
- 神経障害
- 内部分泌機能低下
「血管障害:血管や血液の状態が原因のもの」
器質性EDの原因として一番多いのは血管障害であり、加齢や高脂血症、高血圧、糖尿病、生活習慣病などによる動脈硬化(血管障害)が原因と言われています。
特に糖尿病の患者さんは器質性EDになりやすい傾向があります。
加齢による動脈硬化も器質性EDの原因となるため、30代からEDが増え、40代になると急増します。特に陰茎を通る動脈で動脈硬化が進行するとEDが起こりやすくなるので注意が必要です。
「神経障害:神経の問題から起こるもの」
近年、糖尿病性神経症などの神経系の病気や、脳腫瘍、脳出血、脳外傷、アルツハイマー病、パーキンソン病などが自律神経障害を起こし、EDの原因となることが分かっています。
また、脊椎から陰茎を通る伝達神経の損傷が神経障害を起こすと、それが器質性EDの原因となりますので、椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍などの持病がある人は器質性EDのリスクが高いと言えるでしょう。
前立腺がんや前立腺肥大治療のための外科的手術で、陰茎付近の血管や神経を損傷した場合も器質性EDが起きることがありますので、手術歴のある人で勃起や性行為に不安がある人は担当医に相談することをおすすめします。
「内部分泌機能低下:ホルモンの状態が原因のもの」
ストレスや加齢などによって「テストステロン(男性ホルモンの一種)」が低下しますが、こういった内部分泌機能の低下も器質性EDの原因の一つとされています。内部分泌機能の低下は喫煙、飲酒などでも起こりますので、日々の生活習慣を改めることが大切です。
また、慢性腎不全や血液透析をしている人は、全身の動脈硬化や、ホルモンの変化、神経障害などが進行するため、EDが起きやすいと言われています。
器質性EDは治せる?
器質性EDを治すには、原因となる病気の改善が必要です。残念ながら、器質性EDの原因疾患を治療するための薬がEDに影響している場合や、原因となった疾患が重度で回復が難しい場合などは器質性EDの改善は難しいでしょう。
それ以外の原因であれば、やはり動脈硬化などを防ぐことが肝心です。
健康的な生活を送り、動脈硬化に繋がりかねない生活習慣病を予防しましょう。定期的な運動や規則正しく、栄養バランスの取れた食生活などが緩やかに効果を発揮すると言われています。
また、手術や事故による外傷や麻痺といった理由で器質性EDになった場合も、時間がかかりますが治る可能性があります。内分泌機能低下による器質性EDや、神経や血管や損傷が少ない人では改善のためにED治療薬を使用する場合もあり、若い人はED治療薬の効果が得られる人が多いです。
あきらめずに担当医に相談してみてください。
おわりに:EDかな?と思ったらすぐに受診してください
ストレスの多い現代社会において、機能性(心因性)EDや器質性EDは、成人男性なら誰でも起こりうる病気です。「もしかして?」と思ったら、すぐに受診しましょう。特に器質性EDの裏に、深刻な病気が潜んでいる場合があります。症状がある方は遠慮せず、専門医などに相談してください。