薄毛改善の基礎知識 ― 育毛と発毛の違いとは!?

薄毛

「抜け毛が増えてきたから、育毛剤を使ってみようかな…」こんな風に考える方はいませんか?この場合、「育毛剤」を使うと思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。そこで今回は、「発毛」と「育毛」の違いなどを詳しくご紹介します。

育毛と発毛って何が違うの?

「発毛」とは、髪の毛が抜け落ち、髪の毛が生えていない状態の毛穴に新しい髪の毛が生えてくるようにすることをいいます。
発毛を促進させるものは「医薬品」に分類され、新しい髪の毛を増やす効果が期待される発毛剤や、薄毛の原因ホルモンを抑制するなどの効果が期待される発毛薬などがあります。
成分として、発毛に効果的といわれているミノキシジルや亜鉛などが配合されています。

一方の「育毛」は、今生えている髪の毛を健康を保ち、太くコシが出るようにすることをいいます。髪の毛が抜け落ちて生えていない部分が目立つという方よりは、髪の毛が細く、頭皮全体のボリュームが気になる方に向いている薄毛対策といえます。
育毛を促進させるものには、今ある髪の毛を丈夫にする効果があるといわれる育毛剤や、頭皮環境を整える育毛シャンプーなどがあります。
他にも、育毛のサプリメントや育毛ブラシなどもあり、いずれも頭皮環境を整えるタイプのものや髪の毛にはたらきかけるタイプに分けられます。

育毛剤と発毛剤の成分も違うの?

発毛剤

発毛剤は、新しい髪の毛を生えさせることが目的です。
髪の毛の成長に関わる毛母細胞にはたらきかけ、発毛を促進させます。

有効成分
有効成分には、国から認可されたフィナステリドやデュタステリドなどが含まれており、薄毛の原因であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑える効果があるといわれています。また上記でも説明したように「医薬品」に分類されていて、一般的には病院やクリニックなどで処方してもらうことが特徴です。ただし、有効成分ミノキシジルが使われている「リアップ®」はドラッグストアなどでも購入することができます。
使用上の注意:初期脱毛
医薬品であるため、使用方法などに特に注意が必要であることや副作用が起きる可能性があります。副作用としては、初期脱毛がみられる場合があります。初期脱毛とはヘアサイクルを元に戻して正常なヘアサイクルにすることで、短期間に古い髪の毛が押し出されて抜け落ちることをいいます。

育毛剤

育毛剤は、今ある髪の毛を健康に保ち、髪の毛を育てることが目的です。髪の毛を丈夫に育てるようにはたらきかけたり、今後生えてくる髪の毛が強くなるように促します。

有効成分
有効成分としてカプサイシンやノコギリヤシなどが含まれ、抜け毛の緩和や頭皮環境を整える効果などがあるといわれています。
使用上の注意:治療効果
発毛剤は治療効果が認められている「医薬品」に分類されているのに対し、育毛剤は「医薬部外品」に分類されています。副作用のリスクが低い反面、一般的には有効成分が含まれていても、病気の治療効果は低いといわれています。

発毛剤と育毛剤には上記のように違いがあります。自分の目的に応じて使用しない場合、期待した効果が得られないケースなども考えられます。頭皮や髪の毛の状態に合ったものを選びましょう。

自分でできる育毛対策・発毛対策はある?

自分でできる薄毛対策としては

  • 睡眠時間を十分にとる
  • ストレスを解消する

など、生活習慣を改善することで、髪の毛が育つ環境を身体の内側からサポートできると考えられています。

ただし、薄毛の原因は人それぞれ違います。
たとえば同じAGA(男性型脱毛症)であっても、遺伝によるものや何らかの理由で男性ホルモンが過剰に分泌されているものなど、さまざまなケースが考えられ、それらが複雑に絡み合っている場合もあります。
他にも、薄毛には糖尿病や鉄欠乏性貧血などといった病気が関連しているケースもあるので、原因を自分で判断することは難しいでしょう。

まずは病院を受診して原因を突き止め、それぞれに合った治療を行った上で生活習慣を改善していくことが薄毛治療の近道だといえます。自分にあった対策をするためにも、医師と相談して治療方針を決めていきましょう。

おわりに:それぞれの症状に合ったものを選び、治療を進めよう!

発毛と育毛では、さまざまな違いがあることがわかりましたか?また、人それぞれ薄毛の原因も違うことがわかったでしょうか?
薄毛に悩んでいるなら早めに専門のクリニックを受診し、自分に合った治療を始めることをおすすめします。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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