自分でできる育毛・発毛対策 ― できることから始めてみよう!!

発毛

「発毛」「育毛」は、薄毛が気になる方にとって聞きなじみのある言葉かと思います。でも、発毛と育毛の違いについてはご存知でしょうか。どうやって対策すればいいのでしょうか。今回は、発毛や育毛の違いとおすすめの対処方法をご紹介します。

育毛と発毛って、そもそも何が違うの

「発毛」とは、髪の毛が抜け落ち、「髪の毛が生えていない状態の毛穴」から「新しい髪の毛」が生えてくるようにすることをいいます。一方、「育毛」とは、「今生えている髪の毛」の健康を保ち、太くコシが出るようにすることをいいます。育毛は髪の毛が生えてこない部分が目立つ方というよりは、その前段階である「髪の毛が細く、頭皮全体のボリュームが気になる方」が取り組む対策といえるでしょう

髪が薄くなる原因はさまざまですが、以下の「成長期」「退行期」「休止期」という通常のヘアサイクルが乱れて起きることもあります。発毛や育毛を促すためには、乱れたヘアサイクルを正常な状態に戻すことが必要です。

成長期(約2~6年) 毛母細胞が細胞分裂を繰り返し、髪の毛が成長していきます。
退行期(約2~3週間) 毛母細胞の分裂が止まるため、髪の毛の成長も止まります。
休止期(約3~4ヶ月) 寿命を迎えた髪の毛が徐々に抜け落ちていきます。

髪の毛を一定量に保つことができるのは、10万本以上あるといわれる髪の毛の1本1本がそれぞれのサイクルを繰り返しているためです。しかし、生活習慣の乱れなどで血行不良となり、髪の毛が育つ「成長期」に髪へ十分な栄養が行き届かなくなると正常なサイクルで髪が育たなくなり、薄毛が引き起こされることがあります

また、「毛包」と呼ばれる髪の毛の根っこを包んでいる部分の組織が大きなダメージを受けると、髪の毛が生えてこなくなってしまうこともあります。このような状態を「瘢痕性脱毛症」呼びますが、これは怪我やひどい火傷などで皮膚の奥深くまでダメージを受けたことが原因で起こるものであり、セルフケアでは治りません。すぐに病院を受診して適切な治療を受けましょう。

育毛と発毛で対策は違ってくるの?

「発毛」と「育毛」の2つの厳密な意味や目的は違いますが、髪や頭皮にはたらきかけて髪の成長を促すことで薄毛の改善を目指すという点では共通する部分もあります。これらの原因はヘアサイクルの乱れによるものが大きいため、対策も共通のものが多いといわれています。
発毛対策と育毛対策では効果が期待できる成分が違うなど異なる点もありますが、毛乳頭を活性化するために生活習慣を改善することは共通の対策となるので、積極的に取り入れていきましょう。

ただし、発毛剤と育毛剤を併用すると互いに効果を邪魔したり、有効成分の量が過剰になって皮膚トラブルが起きることがあります。発毛剤と育毛剤を併用は、必ず医師や薬剤師に相談してからにしましょう

自分でできる育毛・発毛対策とは

髪が薄くなる原因にはさまざまなものが考えられますが、その中でも生活習慣は髪の成長に大きく影響しているといわれています。対策としては、主に以下のようなものがあります。

睡眠時間を十分に取る
髪の毛の成長は成長ホルモンによって促進されます。成長ホルモンは22時~深夜2時に多く分泌されるといわれているので、なるべくこの時間帯には布団に入るようにし、良質な睡眠を取るように意識しましょう。
運動不足、ストレスを解消する
運動不足は血液の流れを悪くします。髪の毛の成長には酸素や栄養が必要なため、血流を良くして頭皮環境を整えましょう。また過度なストレスは自律神経を乱し、暴飲暴食や睡眠不足を招きます。趣味などに時間を取り、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。

おわりに:抜け毛や薄毛が気になる方は、まずは病院へ!

発毛と育毛は、意味合いとしては根本的に異なりますが、生活習慣の改善など共通する部分があります。睡眠の質を上げたり、適度な運動や健康的な食事を取り入れるなど、できるところから対策していきましょう。ただし、薄毛の原因はいくつかあるので、まずは専門クリニックなどで原因を特定してもらうことをおすすめします。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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