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EDは亜鉛で治せる?サプリメントを摂るときの注意点とは?

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年齢を重ねるとED(勃起不全)を起こす割合は高くなります。一方で、ストレスや不規則な食事、過度のアルコールや喫煙などが原因となり、若い人でもEDに悩む人が多くなってきているのが現状です。ここではそのEDの改善に効果があるとされる「亜鉛」について、詳しく解説していきます。

亜鉛がEDに効くといわれるのは何故?

亜鉛は人間の体に必要な必須ミネラルで、細胞分裂や新陳代謝、タンパク質の合成、抗酸化作用、免疫の活性化など、多くの作用がみとめられています。男性の場合、前立腺や性腺に多く含まれており、性ホルモンや精子の生成促進などに深く関係しています。この亜鉛が欠乏すると性的な機能が低下する可能性があるため、アメリカではセックスミネラルと呼ばれているほどです。ちなみに女性の場合は卵巣に多く含まれ、不足すると生理周期の乱れにつながるとされています。

性欲低下や勃起障害の原因にはいろいろありますが、その一つに男性ホルモン(テストステロン)の減少があります。亜鉛とこれらの関係は詳しくわかっていませんが、毛髪の亜鉛濃度が高い男性は、血中のテストステロン値が高いという報告もみられます。つまり、男性ホルモンの維持には亜鉛が有効と考えられるわけです。

亜鉛が不足すると、頭皮環境が悪化して切れ毛や抜け毛が増えますし、男性ホルモンの減少によりLOH症候群(男性更年期障害)からEDを含むさまざまな症状を引き起こします。また、精子の量が減って動きも悪くなることから、不妊のリスクが高まることも指摘されています。

亜鉛は1日でどれくらいとればいい?

それでは、1日にどれくらいの亜鉛を摂取すれば良いのでしょうか。2015年の厚生労働省の発表では、一般成人男性の亜鉛の推奨栄養所要量(理想的な1日の摂取量)を10mg、摂取の上限量を40〜45mgとしています。対して、日本人の一般的な献立による1日の亜鉛摂取量は9mg程度であると算出されており、亜鉛は食生活だけで必要量を補うことが難しい栄養素だということがわかります。
ここで、100gあたりの亜鉛含有量が多い代表食材を、一部ご紹介してみましょう。

  • 牡蠣(13.2mg)
  • からすみ(9.3mg)
  • ビーフジャーキー(8.8mg)
  • 煮干し(7.2mg)

たとえば、とくに亜鉛が多い食品として知られている牡蠣であっても、毎日約3〜5個を食べなければいけません。また、このほかにも卵(卵黄)であれば15個、仮にごはん(精米)だけで摂取しようとすれば、お茶碗で12杯分も食べなければいけない計算になります。牡蠣を毎日食べることは難しいでしょうし、精米に至っては、まず無理な量だといえるでしょう。つまり、亜鉛はサプリメントなどで補う必要があるのです。

亜鉛のサプリを摂るときの注意点は?副作用はある?

サプリメントで補うことが必要である亜鉛ですが、ただ多く摂取すれば良いというものではありません。なぜなら、亜鉛は一度にたくさん摂ると吸収率が低下するという特徴があるためです。したがって、サプリメントで摂取する場合は、高含有量のものを1日1回摂るのではなく、低含有量のものを数回に分けて摂る方が有効になります。

サプリメントは、亜鉛の吸収率を下げてしまうお茶、コーヒー、緑茶などは避けて、必ず水で飲むようにしましょう。また、空腹時に飲むと稀に胃痛を感じる人もいるため、食後などに摂取してください。もちろん、医薬品を服用している場合は、必ず薬剤師や医師に相談のうえ摂取しましょう。

また、通常の食生活であれば亜鉛の過剰性が問題になることはほとんどなく、亜鉛自体、毒性は極めて低いとされています。ただし、サプリメントの服用によってふらつき、動悸や息切れ、めまい、便秘、手足のしびれなどが起こった場合は、体に合っていない可能性が考えられます。さらに、継続的に過剰摂取することで貧血や免疫障害などを引き起こす恐れもあるため、何かあればすぐに医療機関を受診するようにしてください。

おわりに:バランスの良い食事とともに、サプリメントを上手に使おう!

亜鉛は男性に人気のサプリメントですが、あくまで「亜鉛が不足している人が摂れば有効である」ということに過ぎません。EDの原因を冷静に見極めて、バランスの良い食事を心がけながら、補助的にサプリメントで補うようにしてくださいね。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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