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これってもしかしてED!?まずはセルフチェックをしてみよう!

ED

ストレスや疲労の多い現代人は、なかなか性的な気分やシチュエーションになれないですよね。しかし、それだけではEDとは言えません。自分はもしかしてEDかも?と思ったら、どのようにセルフチェックすれば良いのでしょうか?

EDのセルフチェックの方法は?

ED(勃起障害)という言葉や概念は、昨今の日本では徐々に理解・認知されてきています。しかし、風邪やその他の疾患のように、「ひょっとして自分はEDかもしれない」と思ったとき、EDかそうでないかをセルフチェックするための簡単な指標というものが長らく存在せず、EDかなと思ったら病院に行くしかありませんでした。

そこで、米国において簡単な自己診断方法である「EHS(=Erection Hardness Score:勃起の硬さのスケール)」が開発されました。0〜4の5つのスコアで勃起を評価・判定することができ、EDの簡易的診断やED治療の効果を評価するツールとして簡便で信頼性が高いことがわかっています。この米国版をもとに、日本語版「勃起の硬さスケール」が2009年に開発されました。

  • グレード0…陰茎は大きくならない
  • グレード1…陰茎は大きくなるが、硬くはない
  • グレード2…陰茎は硬いが、挿入に十分なほどではない
  • グレード3…陰茎は挿入には十分硬いが、完全には硬くはない
  • グレード4…陰茎は完全に硬く、硬直している

また、EDのセルフチェックとして、問診票を使う方法もあります。この問診票はSHIMと呼ばれ、IIEF(国際勃起機能スコア)のひとつです。点数の合計が21点以下の患者さんでは、EDが疑われるとされています。過去6ヶ月の性交について、0〜5点の6段階でチェックしていきます。

項目 0点 1点 2点 3点 4点 5点
勃起してそれを維持する自信はどの程度ありましたか 非常に低い 低い 中くらい 高い 非常に高い
性的刺激によって勃起した時、どれくらいの頻度で挿入可能な硬さになりましたか 性的刺激はなかった ほとんど、又は全くならなかった たまになった(半分よりかなり低い頻度) 時々なった(ほぼ半分の頻度) しばしばなった(半分よりかなり高い頻度) ほぼいつも、又はいつもなった
性交の際、挿入後にどれくらいの頻度で勃起を維持できましたか 性交を試みなかった ほとんど、又は全く維持できなかった たまに維持できた(半分よりかなり低い頻度) 時々維持できた(ほぼ半分の頻度) しばしば維持できた(半分よりかなり高い頻度) ほぼいつも、又はいつも維持できた
性交の際、性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか 性交を試みなかった 極めて困難だった とても困難だった 困難だった やや困難だった 困難でなかった
性交を試みた時、どれくらいの頻度で性交に満足できましたか 性交を試みなかった ほとんど、又は全く満足できなかった たまに満足できた(半分よりかなり低い頻度) 時々満足できた(ほぼ半分の頻度) しばしば満足できた(半分よりかなり高い頻度) ほぼいつも、又はいつも満足できた

点数の合計が21点以下の場合はEDが疑われますが、その程度はさらに以下のように分けられています。

  • 重症…5〜7点
  • 中等症…8〜11点
  • 軽〜中等症…12〜16点
  • 軽症…17〜21点
  • 問題なし…22〜25点

EDかな?と思ったら、まずはこれらの指標を使い、気軽にセルフチェックしてみましょう。

EDの危険を高めるリスク要因は?

EDのリスク要因には、主に以下のようなものがあります。

  • 年齢
  • 血管や神経の障害
  • 生活習慣・生活習慣病
  • 心理的ストレス
  • 薬剤の服用

それぞれのリスク要因について、詳しくみていきましょう。

年齢・血管や神経の障害

加齢とともに、EDになる人の割合は増えます。これは加齢によって後述する糖尿病や高血圧などの生活習慣病を発症する人が増えることも原因ですが、加齢によって血管もまた老化していくことが大きな原因とされています。血管が老化すると、血管の壁が厚く硬くなり、陰茎の細い血管では特に血液が流れ込みにくくなります。すると、陰茎の勃起も起こりにくくなってしまいます。

また、前立腺肥大などの泌尿科系疾患、腎不全、陰茎の先天的疾患などもEDの原因になりえます。さらに陰茎に近い部位である前立腺がん、膀胱がん、直腸がんなどの摘出手術の際にその周囲の血管や神経を傷つけてしまい、EDになることもあります。

勃起は神経の興奮によっても起こるものですから、神経系を損傷することでEDを発症することもあります。例えば脳出血や脳挫傷、脳外傷、パーキンソン病、アルツハイマー病などが挙げられます。交通事故などで脊髄を損傷することも、やはり神経系を傷つけるため、EDの原因になることがあります。

生活習慣・生活習慣病

糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病は、EDの最も大きな原因です。これらの生活習慣病は血管内の糖質や脂質が増えるため、ドロドロとした血液が血管の壁を傷つけたり、脂質が血管の壁に付着して血液が流れにくくなります。その影響は細い陰茎の血管にまず最初に出ることが多く、陰茎海綿体の動脈に十分な血液が流れ込まず勃起が起こらない、または満足な勃起が得られない状態になってしまいます

これらの生活習慣病を避けるためには、毎日の生活習慣の見直しが必要です。知らず知らずのうちにストレスを溜めている、食事の時間が不規則である、脂っこい食事や外食が多い、車通勤で運動不足である、連日お酒を飲みすぎている、喫煙している、などの習慣があるとEDのリスクが高くなります

心理的ストレス・薬剤の服用

ストレス・不安・うつ状態などの心理的な要因もEDの原因になります。これらの心理的要因はどちらかといえば20〜40代くらいの比較的若い人に多い要因です。また、うつ状態になったとき、投薬治療のために抗うつ剤や向精神薬などを服用すると、中枢神経に作用して勃起が起こりにくくなることがあります。

その他にも、解熱・消炎鎮痛剤、降圧剤、血管拡張剤、消化性潰瘍治療薬など、EDの原因となる薬剤はさまざまです。何らかの疾患の投薬治療を始めてから勃起が起こりにくくなった、という人は薬剤性EDかもしれません。ぜひ一度、医師や薬剤師に相談してみましょう。

夜間勃起と早朝勃起もチェックしておこう!

「夜間勃起」や「早朝勃起」は、性機能が正常な成人男性であれば通常起こる現象です。逆に、夜間勃起や早朝勃起が起こらない状態が続く場合は、何らかの性機能の異常や低下が起こっている可能性があると考えられます。これらの現象は、レム睡眠の際に自律神経が活発になることで起こると考えられており、性行為がないときでも性機能に関する筋肉が衰えないよう「試運転」を行っているのだとされています。

つまり、夜間勃起や早朝勃起が起こらず、性交もない状態が続くと、性機能に関する筋肉も衰えてしまいます。すると、いざ性交に臨んだときに充分に勃起できない、または勃起が維持できない状態になってしまい、もともとEDを疑っていた人がさらに勃起しにくくなる悪循環が起こってしまうのです。

そこで、まずは自分でチェックしやすい早朝勃起について確認してみましょう。早朝勃起は夜間勃起現象が朝まで続いているもので、目覚めたときに自分で気づくことができます。朝立ちをセルフチェックすることで、重大な疾患につながる前に早期発見できる可能性があります。ぜひ、朝起きたらセルフチェックの習慣をつけてみましょう。

朝勃ちをセルフチェックすることの意味って?

朝勃ちをセルフチェックすることで、以下のようなメリットが考えられます。

ストレス・疲労の目安になる
強いストレスや疲労、抑うつ状態のとき、性的な気分になれないことがある
よく眠れない場合、睡眠のリズムが崩れていることでEDになっている可能性も
男性更年期(LOH症候群)を発見できる
男性ホルモンが減少して起こるLOH症候群の症状のひとつに朝立ちの減少がある
疲労感・不眠・集中力が続かない・抑うつ症状などが合わせて起こる場合、LOH症候群の可能性が高い
生活習慣病の早期発見に役立つ
陰茎の細い血管は、動脈硬化の初期段階で影響を受けやすい
狭心症や心筋梗塞などの生命を脅かす段階に移行する前に発見できる

ストレス・疲労も溜めすぎればさまざまな疾患につながります。また、LOH症候群から抑うつ状態を発症すると、二重に性的な気分につながりにくくなり、活き活きと生活できなくなることも考えられます。そこで、思い当たるふしがあればストレスを解消したり、ゆっくり休息を取ったり、生活習慣の改善をしたりしましょう。LOH症候群が疑われる場合は、専門医に相談してみましょう。

おわりに:EDのセルフチェックは朝立ちから

EDのセルフチェックは、まず朝立ちのチェックから始めると簡単で時間もかかりません。少し時間がある人は、EHSやIIEFのチェックをしてみましょう。自分の勃起能がどのぐらいなのかという指標を知ることは、ひとつの目安になります。

また、朝立ちを始めとしてEDかどうかをチェックすることは、重大な疾患を早期発見できる可能性があり、非常に大切なことです。ぜひ、簡単なことからセルフチェックをしていきましょう!

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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