薄毛は病気が原因のこともあるって本当?注意した方がいい特徴とは?
薄毛といえば、AGA(男性型脱毛症)を思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、薄毛になる原因にはさまざまな脱毛症の種類があります。そこで今回はそれぞれの脱毛症と、AGAかどうかを簡単にチェックできるセルフチェックもご紹介します。
薄毛を起こす病気にはどんなものがある?
薄毛が起こる病気としては、主に以下のようなものがあります。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンは、髪の毛の成長を促進させるはたらきがあります。そのため、甲状腺機能低下症によって甲状腺ホルモンが不足すると、髪の毛が細くなって抜け落ち、脱毛後も髪の毛が生えてくるまでに長い時間がかかるといわれています。
薄毛に悩む10人に1人は、甲状腺機能低下症が原因であるという報告もあります。甲状腺機能低下症は血液中の甲状腺ホルモンが少ない状態のことをいい、症状としては体重増加や気力の低下、顔や手のむくみなどもあり、日常生活にも支障をきたす恐れのある病気です。
糖尿病(2型糖尿病)
髪の毛が成長するためには、毛根の根っこにある毛母細胞に栄養分と酸素を届けなければなりません。しかし糖尿病によって血液中のコレステロールなどが高くなることで動脈硬化が進行し、血流が滞ります。これによって、毛母細胞に十分な栄養と酸素を運ぶことができず、髪の毛の成長が抑制されてしまうのです。
2型糖尿病は主に生活習慣の乱れによって引き起こされ、血糖値が高いままになっている状態のことをいいます。多尿や体重減少などの症状がみられ、さまざまな合併症を招く恐れがある病気です。
膠原病
膠原病は、何かのきっかけで自分の身体を攻撃してしまう自己免疫の異常によって起きる状態の総称です。
さまざまな種類がある膠原病の中でも「全身性エリテマートデス」が脱毛に深く関わっているとされ、栄養不足や貧血などによって脱毛が起こるといわれています。
全身性エリテマートデスを含む膠原病は、発疹やリンパの腫れなど、全身にさまざまな症状が現れるのが特徴です。
普通の薄毛治療やセルフケアで治らないタイプの薄毛とは!?
男性の薄毛の大半はAGA(男性型脱毛症)といわれています。AGAとは、男性ホルモンである「ジヒドロテストステロン(DHT)」が深く関わっている脱毛症です。AGAの他に、主に以下のような脱毛症もあります。
円形脱毛症
年齢や性別関係なく、髪の毛が円形状に抜け落ちる脱毛症です。以前はストレスが原因といわれていましたが、現在では病原体から身体を守る免疫が自分を攻撃することで起きる自己免疫が原因とされています。
粃糠(ひこう)性脱毛症
女性の薄毛の主な原因で、中年以降の女性に多いといわれています。部分的に脱毛するのではなく、頭皮全体が薄くなることが特徴です。
脂漏性皮膚炎による脱毛症
皮膚の常在菌である「マラセチア真菌」が繁殖することで炎症を起こす皮膚炎です。年齢や性別関係なく起こり、シャンプーなどの誤ったヘアケアやアレルギーなどが原因といわれています。皮膚科で抗真菌剤を処方してもらうなど、病院での治療が必要です。
病気以外の薄毛の特徴 ― AGAかどうかをチェックしよう!
AGAの特徴としては、以下のようなものがあります。
- 最近、抜け毛が多くなったような気がする
- 特に頭頂部の髪の毛が薄くなった
- 思春期以降に髪の毛が薄くなった
- 額が広くなってきたような気がする
- 以前よりも髪の毛が細く、短くなった
- 髪の毛にハリやコシがない
- 父、母、またはそれぞれの祖父母に薄毛の人がいる
ただし、あくまでセルフチェックです。きちんと薄毛の治療をしたい場合には、病院やクリニックの受診をおすすめします。
おわりに:薄毛には、AGA以外にもさまざまな脱毛症がある!)
「薄毛」と一言にいっても、糖尿病などの病気によるものや円形脱毛症など、AGA以外にもさまざまな原因で起きる脱毛症があります。それぞれに合った対処をするためにも、クリニックなどでの診察をおすすめします。