円形脱毛症の薄毛はAGAとどう違う?原因と対策は?

薄毛

円形脱毛症は硬貨ような形状のハゲができてしまう脱毛症です。薄毛が気になる方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。今回は、円形脱毛症の原因や症状、AGAとの違いなどをご紹介します。

円形脱毛症の原因とは?

円形脱毛症の原因は完全にわかっているわけではありませんが、有力な説に、自己免疫疾患があります。
自己免疫疾患とは、本来は細菌やウイルスなどから身体を守ろうとする免疫機能のはたらきが、何らかの理由によって正常な組織も攻撃してしまう病気です。このような状態になると、毛根のまわりで炎症が起こり、脱毛が引き起こされると考えられています。

また、円形脱毛症を治療している人たちのうち約4割がアトピー性皮膚炎などのアレルギー体質であるという報告があることから、アレルギーとの関係も指摘されています。さらに遺伝との関連性も疑われており、親族に円形脱毛症の人がいた場合、発症率が高くなるとも考えられています。

円形脱毛症の症状は?AGAとは違うの?

円形脱毛症は、頭の一部の髪の毛が楕円形や円形に抜け落ちてしまう脱毛症です。「10円ハゲ」といわれることもありますが、頭皮全体に抜け毛が広がる場合や体毛が抜けるものなど、幅広い種類があります。

「単発型」と呼ばれる円形脱毛症は頭皮の1ヶ所で起きる、豆粒大~500円玉程度の抜け毛です。典型的な初期症状で前兆としてかゆみを生じることもありますが、何の前触れもなく突然脱毛することが多いといわれています。単発型から症状が進み、2ヶ所以上の脱毛がみられることを「多発型」、多発型の症状がさらに進み、髪の大半が抜け落ちることを「全頭型」といいます。また、帯状の脱毛が側頭部や後頭部に起きることを「蛇行型」、ひげや眉毛、脇毛など、全身の毛が抜け落ちることを「汎発型」といいます。

AGAと円形脱毛症の違い

AGA(男性型脱毛症)は成人男性によくみられ、前頭部や頭頂部から抜け毛が進行していくのが特徴です。円形脱毛症は、頭の一部に抜け毛がみられることが多く、子供の発症例も多いのが特徴です。また、AGAと違い自然治癒することが多いといわれています。

円形脱毛症の治療とセルフケア

円形脱毛症の対処法には、以下のような自分でできるものと病院やクリニックでの治療の2つがあります。

生活習慣の改善

髪によい栄養を摂る

髪の毛の成長に必要な栄養は、「タンパク質」「ミネラル」「ビタミン」といわれています。髪の毛の成分の約90%以上を占めるタンパク質や、髪の毛の生成に関わるミネラル、またビタミン類を積極的に摂るようにしましょう。また過度な食事制限を避け、バランスの良い食生活を心掛けましょう。

睡眠時間を十分に取る

髪の毛は、22時~深夜2時に多く分泌される成長ホルモンによって成長するといわれています。また睡眠はホルモンバランスや自律神経を整えるはたらきがあります。なるべくこの時間帯には布団に入るようにし、良質な睡眠を取るように意識しましょう。

運動不足、ストレスを解消する

運動不足は血液の流れを悪くします。髪の毛の成長には酸素や栄養が必要なため、血流を良くして頭皮環境を整えましょう。また過度なストレスは自律神経を乱し、暴飲暴食や睡眠不足を招きます。趣味などに時間を取り、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。

病院やクリニックでの治療

病院やクリニックでの治療には、ステロイド注射や局所免疫療法などがあります。ステロイド注射は脱毛部分にステロイドを注入することで免疫を調整したり、炎症を抑えるなどの効果があるといわれています。局所免疫療法ではDPCPやSADBEなどの薬を塗り、人工的に軽めのかぶれを作ることによって免疫のバランスを整えます。どちらの治療法にも副作用はあるため、医師とよく相談して治療を始めることが望ましいです。

おわりに:気になる症状がみられたら、まずは病院へ!

円形脱毛症とAGAは、その症状や治療法などが異なります。また円形脱毛症は自然治癒することが多いといわれていますが、再発することもあります。早めに病院での診療を受け、それぞれに合った治療法で早めの対処を心がけましょう。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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