粃糠(ひこう)性脱毛症とはどんな薄毛?どうやって治せばいいの?

薄毛

「最近、フケが多くなってきた」など、フケの量や頭皮に変化はありませんか?粃糠(ひこう)性脱毛症は大量のフケが関係している脱毛症といわれています。今回は、粃糠性脱毛症の原因や対策などについてご紹介します。

粃糠(ひこう)性脱毛症はフケに注意!?

「粃糠(ひこう)」とは米ぬかのことを意味し、粃糠性脱毛症とは毛穴を塞ぐように大量のフケが発生するのと同時に脱毛が起きることをいいます。フケは乾燥しているものやベタつきのあるものなど、人によって種類はさまざまです。また、頭皮に炎症がある場合はカサブタ状のフケが発生し、かゆみが出る場合もあります。フケはシャンプーをしても減ることはなく、かゆみも解消されないといわれています。

粃糠性脱毛症の明確な発症原因は不明ですが、真菌の一種が頭皮の皮脂を栄養にして繁殖する「脂漏性脱毛症」と関係があるといわれています。また粃糠性脱毛症に関わっている、フケが大量に発生する原因には主に以下のものが考えられます。

生活習慣(食事、睡眠、洗髪方法など)

栄養バランスの悪い食事や、脂っこいものに偏った食事をしていると皮脂が増え、頭皮へ栄養が行き届きにくくなります。また眠っている間に分泌されるメラトニンは、フケを防止する効果があるといわれています。つまり、睡眠時間をしっかり取ることはフケの増加予防につながる可能性があるということです。

男性ホルモンの影響

過剰に男性ホルモンが分泌されると、皮脂の分泌も促進されます。またホルモンバランスの乱れは免疫力を低下させ、炎症を起こしやすくします。男性ホルモンはストレスの影響などで分泌されやすくなるため、運動や自分に合った趣味などでストレスを解消させることが重要です。

粃糠性脱毛症はセルフケアで治せる?

自分でできる粃糠性脱毛症のケアには、主に以下のようなものがあります。

栄養バランスのよい食事をする

髪によいといわれているタンパク質、ミネラル、ビタミンを中心に、バランスの良い食生活を心がけましょう。特にビタミン不足は皮脂の量を増やすといわれています。ビタミン類を多く含むレバーや卵などの食品を摂り、皮脂量の増加を抑えましょう。

ストレスを解消する

過度なストレスは、フケを大量に増やす男性ホルモンの増加を招きます。また自律神経を乱し、暴飲暴食や睡眠不足にもつながります。自分なりのストレス解消法を見つけ、ストレスとうまく付き合いましょう。

正しい方法でシャンプーをする

真菌の増殖を防ぐ効果があるといわれる「ミコナゾール硝酸塩」を配合したシャンプーを使ってみましょう。これは、ドラッグストアなどで購入することができます。また温水のみでは皮脂を十分に洗い流すことができません。粃糠性脱毛症を発症している方は、必ずシャンプーを使用し、頭皮を指の腹で洗うなどしてやさしく洗うように心がけてください。特に耳の裏側は洗い残しやすい部位のため、意識して洗髪しましょう。

粃糠性脱毛症は病院ではどうやって治療する?

病院やクリニックでは、主に外用薬と内服薬で治療を進めていきます。外用薬では、頭皮の炎症を抑えてかゆみを軽減させるステロイド外用薬や、抗真菌薬のケトコナゾール外用薬が使われることが多いです。症状によってビタミンB2やビタミンB6を配合したビタミン剤の内服薬が処方される場合もあります。

ただし、いずれにしても根本から改善していくためには生活習慣の改善が必要となってきます。前項でご説明した食事方法やシャンプーの仕方などを参考に日々の生活を見直し、健康的な生活習慣を送るようにしましょう。

おわりに:症状に心当たりがあったら、まずは病院へ!

粃糠性脱毛症の場合、病院やクリニックから処方される薬と並行して、生活習慣を見直すことが改善への近道といわれています。早めに病院へ行き、専門家からのアドバイスを受け、適切な対処を続けていきましょう。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

関連記事一覧