男性型脱毛症(AGA)とその他の脱毛症の違いとは!?
脱毛症にはさまざまな種類があり、症状によってとるべき対策も異なるのをご存知でしょうか? 特に近年、注目を浴びているのが「AGA」と呼ばれる脱毛症です。この記事ではAGAを中心に、脱毛症についてご紹介します。
男性型脱毛症(AGA)とは!?
「AGA(エージーエー)」はAndrogenetic Alopeciaの略で、日本語では「男性型脱毛症」といいます。思春期以降の成人男性に多くみられ、額の生え際や頭頂部の髪が薄くなってくるのが特徴です。脱毛が始まる箇所はどちらか一方のみのこともあれば、双方から進行することもあります。生え際から始まる脱毛はM字型と呼ばれています。
主な原因は男性ホルモンの一種ジヒドロテストステロンが、ヘアサイクル(一本一本の毛髪が成長期、退行期、休止期のプロセスを経て、発毛と自然な抜け毛を繰り返す周期)を乱して、髪の毛が抜けるペースと生えてくるペースのバランスが崩れることと考えられています。
AGAセルフチェック
- 両親や祖父母に薄毛の人がおる
- 以前に比べて明らかに抜け毛の量が増えている
- 髪の毛が細くなったり短くなったり、張りやコシがなくなってきた
- 薄毛がだんだん進んでいるように感じる
- 頭頂部や生え際から薄毛になった
チェック項目に当てはまるものが多い方は、AGAの可能性があります。ただし、薄毛はAGAだけが原因ではありません。後ほど紹介するようにたくさんの原因があります。薄毛が気になったときは、専門のクリニックで原因を特定してもらい、適切な対処を行うようにしましょう。
AGA以外にどんな脱毛症がある?
AGA以外に、下記のような脱毛症があります。
- 円形脱毛症
- 円形または楕円形に髪の毛が抜けてしまう脱毛症です。年齢や性別を問わず発生します。頭皮だけに発症することが多いですが、眉毛やヒゲなど、ほかの部分にもみられることもあります。体の免疫機能に異常が起こり毛髪組織を攻撃してしまうことが原因ではないかと考えられています。一時性の円形脱毛症であれば完治することもありますが、重症化すると治療期間が長引くことも少なくありません。
- 脂漏(しろう)性脱毛症
- フケやかゆみを伴う脱毛症です。毛穴から過剰に分泌された皮脂が、原因菌であるマラセチア菌(真菌:カビの一種)を増殖させ、毛穴の奥の毛根に炎症が発生し脱毛を引き起こします。
- 粃糠(ひこう)性脱毛症
- 大量のフケが毛穴をふさぐと毛根が栄養不足になり、毛髪の成長が妨げられます。額から頭頂部にかけて脱毛が広がっていき、かゆみやが赤みが出ることもあります。
- 機械性脱毛症・牽引性脱毛症
- 髪を結んだりヘルメットをかぶったり、強く引っ張る力が毛髪に物理的負担をかけると発生しやすい脱毛症です。脱毛は、額や側頭部の生え際で多くみられます。
上記のほか、病気の治療のために服薬している薬剤の影響で脱毛が起きることもあります。
AGAは治せるの?
AGAの治療法では、現状維持や進行を遅らせることが主な目標であり、完治は難しいとされていますが、早期に治療を始めることである程度の回復がみられるケースもあります。
治療はプロペシア®の服用やミノキシジル®の外用が一般的です。ただし、症状が進行し毛母細胞の働きが著しく低下してしまうと内服薬や普通の外用薬だけでは効果は期待できません。その場合は、発毛メソセラピーで効果が出ることもあります。
服薬治療の効果を実感できるのは、早くても三か月後といわれていますので、焦らずに最後まで継続することが重要ですが、早く結果を出したい場合は、発毛メソセラピーの併用を検討してもいいでしょう。
ただし、費用面や自分の状態に合っているかなど、きちんと医師に確認をとってから意思決定を行ってください。
いずれにしても、AGAは早期に治療を開始することが重要です。気になる症状があるときは、早めに専門クリニックを受診しましょう。
おわりに:AGAとそのほかの脱毛症。似ているようで治療法は異なります
AGAは進行性の脱毛症です。早期に治療開始して早めに食い止めることが、回復のカギになります。また、一般の人がそのほかの脱毛症と見分けることも困難です。気になる症状がみられたら専門クリニックを受診し、原因にあわせた治療をしてもらいましょう。