アトピー性皮膚炎が薄毛の原因になる?対処法はある?
生き生きとした髪の毛は健康的な頭皮からつくられ、頭皮がダメージを受けると髪の毛はどんどん抜けていってしまいます。
頭皮のダメージの原因のひとつに「アトピー性皮膚炎」が挙げられますが、どんなメカニズムでアトピー性皮膚炎による薄毛や抜け毛は起きるのでしょう。以下の記事でわかりやすく説明していきます。
薄毛がアトピー性皮膚炎で起こるって本当?
アトピー性皮膚炎はかゆみや湿疹などの炎症が肌にあらわれる疾患です。乳幼児に発症することが多く、通常は成長するにつれて改善していきますが、成人になっても症状が続くことがあります。
人間の皮膚は、乾燥や外部刺激から肌を守る「バリア機能」と呼ばれる働きを持っていて、その働きが弱くなってしまうと体の外にある異物が肌の内側に入り込み、炎症を引き起こします。
アトピー性皮膚炎によって頭皮が炎症を起こすと、頭皮のバリア機能がさらに失われることになり、髪の毛が薄くなったり、生えにくくなってしまい、毛髪が進んでいくことがあります。
薄毛を引き起こす原因
- 皮脂の過剰分泌
- 皮膚のバリア機能が低下していると肌は乾燥しやすくなります。皮膚が乾燥すると、足りない水分を補うために皮脂を多く分泌してしまうドライオイリー(乾燥と脂性の混合した肌)を引き起こしてしまうことがあります。アトピー性皮膚炎でバリア機能が低下してドライオイリーになってしまうと、過剰に分泌された皮脂が毛穴を詰まらせて雑菌が繁殖しやすい状態になり抜け毛がひどくなることがあります。
- 頭皮をかく
- アトピー性皮膚炎の主な症状は湿疹やかゆみです。かゆみを我慢できずに患部を強くかいてしまたり、睡眠中に無意識にかいてしまうと、頭皮がダメージを受けて毛髪が抜けてしまいます。また、バリア機能が低下した肌ははがれやすく、かいて頭皮を傷つけてしまうと、炎症がさらにひどくなるという悪循環を招きます。
- ストレス
- アトピー性皮膚炎の原因のひとつとして、ストレスがあります。子供のときに発症したアトピーが改善されたあと、精神的負担や環境の変化によってアトピーが再発してしまうケースがみられます。ストレスは自律神経を乱し免疫機能の働きを低下させ、肌の保護機能をさらに弱めてしまいます。
アトピー性皮膚炎が原因の薄毛の対策とは?
水分量が低下し乾燥したドライオイリーの肌は外部の刺激にとても弱く、適切な治療や対策をとらないと、炎症がさらなる炎症を呼ぶ悪循環を招きます。
アトピーの症状が治まれば抜け毛や薄毛も改善されていくので、まずは医師に相談し、状態にあった治療を始めることが先決です。
病院での治療とあわせて、日常生活では洗髪をしすぎないことにも注意しましょう。かゆみが強いとつい指に力が入りがちになってしまいますが、強く頭皮を洗いすぎてしまうと皮脂も洗い流してしまいます。適度な皮脂は水分の蒸発を防ぎ頭皮を守ってくれるので、頭はやさしく洗うように心がけましょう。また、シャンプーも肌にやさしいものを選ぶようにしてください。迷ったときは担当医に相談してもいいでしょう。
アトピー性皮膚炎の人は育毛剤を使ってもいい?
アトピー性皮膚炎の人すべてが育毛剤を使えないというわけではありませんが、自己判断で使うと頭皮の炎症を悪化させることになりかねません。パッチテストをすれば大丈夫と進めているところもありますが、一般の人が頭皮のパッチテストを自分でするのは難しいでしょう。
必ず医師に相談してから使うようにしてください。
おわりに:アトピー性皮膚炎が原因の薄毛で自己判断は危険。医師と相談しながら頭皮環境を整えましょう
アトピーの症状が出ているうちに毛根を深く傷つけてしまうと、薄毛の治療は難しくなります。頭皮の状態が正常に戻るまでは時間がかかりますので、医師への相談を欠かさず気長に治療や対策を続けながら対処をしましょう。
くれぐれも自己判断で育毛剤を使わないようにしてください。