薄毛治療の注射の効果とは!?飲み薬と何が違うの?

薄毛

外用や内服のものがポピュラーな薄毛治療薬ですが、最近では薄毛の気になる部分に直接薬剤を注入する、発毛ミノキシジル注射(発毛頭皮注射)を行うクリニックが増えています。ここではその発毛効果、そして塗り薬、飲み薬との違いについてご紹介していきます。

病院で受けるミノキシジル注射は薄毛に効果あるの?

ミノキシジルとは、製品名ではなく成分名であり、もっとも有名な発毛成分の一つです。血管を拡張させて頭皮の血流を良くすることができ、薄毛治療に高い効果を発揮します。ミノキシジルは市販の育毛剤や発毛剤にも含まれていますが、塗るだけでは液剤が流れてしまう可能性が高いため、あまり効果的ではないとされています。
そこで、ミノキシジルに加え、発毛に必要な各種ビタミン、アミノ酸、ミネラルなどをクリニックが独自にカクテルし、薄毛の気になる部分に直接薬剤を注入するのが、発毛ミノキシジル注射です。

一般的に、ミノキシジル注射は飲み薬や塗り薬よりも高い効果が期待できるとされています。また、薄毛の箇所にのみミノキシジルを注入できるため、額の生え際など、ピンポイントでの効果が高いといえるでしょう。また、髪の毛程度の細い針を使用するので、ほとんど痛みを伴わないこと、治療初期に活用すると最終的な発毛効果が高くなることなどにも魅力があります。

さらに、ミノキシジル注射は副作用のリスクが低いともいわれています。本来、ミノキシジルは高血圧の患者向けの内服薬であるため、副作用として血圧低下やむくみなど、重篤なものもあるとされているのですが、注射の場合、成分を薄毛部分のみ注入するため、注入部以外に影響が出る可能性はきわめて低いのです。

ちなみに、現在、厚生労働省が「発毛効果あり」と認可しているものは、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドの3種類だけです。

ミノキシジル注射にデメリットはあるの?

注入部のみに作用するため、ピンポイントでの効果が期待できると同時に、副作用のリスクも少ないとされているミノキシジル注射ですが、注意点として覚えておきたいこともあります。以下、順番に見ていきましょう。

定期的にクリニックに通う必要性がある

服薬や塗り薬と同じく、注射も一度で薄毛が改善されるわけではありません。したがって、定期的にクリニックに通って注射をしてもらう必要があります。月に1〜2回の通院となるケースが多いでしょう。途中で断念してしまうと効果は継続せず、薄毛改善につながらないままというケースも考えられるので、くれぐれも注意が必要です。

総合的な治療費が高額になる可能性がある

ミノキシジル注射は、内服や外用よりも費用が高額となります。保険適用外のため、1回の注射で、安くて1万円程度、数万円を要するクリニックも少なくありません。値段は、ミノキシジルのほかにどれだけ発毛成長因子・栄養素を注入するかによっても異なります。月2回ほどの治療を半年ほど継続させることになるため、少なくとも12回分程度の注射費がかかることになります。

研究データが少ない

理論的にもしっかりしているので、現在では多くのクリニックが治療に取り入れていますが、その有効性が立証されたわけではありません。学術的論文も少なく、データに乏しいのです。つまり、薄毛治療の希望の光である一方、今後、どんな副作用が現れるかわからないという側面もあるわけです。

プロペシア®と併用しても大丈夫?

AGA(男性型脱毛症)の治療に力を入れている専門のクリニックでは、多くの場合、ミノキシジルを、毛髪にダメージを与えるDHTの働きを抑制するプロペシア®(先述したフィナステリド)と併用して治療を行います。これは、プロペシアとの相乗効果によって、高い発毛効果がみられるためです。

ただし、ミノキシジル注射は、専門クリニック独自の配合となるため、必ずしもプロペシアと併用されるわけではありません。くれぐれも、それぞれの症状に合わせて専門家の指示を仰ぎ、適切な治療を受けるようにしてください。いうまでもありませんが、ほかの症状の治療薬として処方されたプロペシアを「ちょうど余っていた」などの理由で、勝手に服用するのはNGです。

ごく稀にですが、内服用のミノキシジルを個人輸入して服用し、命の危険に陥ったケースなどもみられます。個人の判断ではなく、かならず、医師や専門家の管理のもとで薄毛治療を行いましょう。

おわりに:メリットとデメリットを知ることで、自分に合った薄毛治療を!

ミノキシジル注射をはじめとして、現在、薄毛治療にはさまざまな治療法が確立されつつあります。きちんと定期的な治療を受けることで、確実な発毛効果を望むことができます。それぞれのメリットとデメリットを知ることで、自分の症状に見合った治療法を見つけてくださいね。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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