薄毛に漢方薬が効くって本当?どうやって選んだらいいの?
「薄毛は漢方で改善される」という話を一度は耳にしたことはありませんか。漢方といえば、なんとなく身体に良さそうな感じもしますが、本当に薄毛に効果的なのでしょうか。今回は薄毛と漢方の関係性や効果などをご紹介します。薄毛改善に役立ててください。
漢方薬は薄毛改善に効果があるの?
東洋医学に基づいて作られた漢方薬は、「自然治癒力を高め、身体を整える」ことを基礎にしています。病名ではなく、証(しょう)という漢方独自の見立てで薬を選ぶことが特徴です。
現代医学的には、漢方薬に育毛への明確な効果は期待できないとされていますが、身体を整えることで髪の毛が育つ環境を作ることはできる可能性はあると考えられています。
例えば、漢方(東洋医学)では「髪の毛は血の余り」といわれています。血液中に十分な栄養があることで、全身や髪の毛まで栄養が行き届くという考え方です。そのため、薄毛や抜け毛などがあると、第一に血行不良などを考えるといわれています。
そこで漢方薬を飲んで血行を改善し、頭皮に十分な栄養や酸素を行きわたらせることができれば、髪の毛にとって良い頭皮環境を整えることができるかもしれません。
薄毛改善に役立つ漢方薬とは!?
漢方はそれぞれ証(しょう)によって処方薬を決めます。薄毛に関しては主に「血虚」「気虚」「腎虚」の3つのタイプがあるといわれています。以下に、タイプ別に薄毛の改善に効果的な主な漢方薬をご紹介します。
血虚:血液が不足することで、髪に潤い、ハリやコシなどがない方
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 「産婦人科の三大漢方薬」のひとつといわれ、血液の巡りをよくする効果が期待できる漢方薬です。血行を良くすることで、頭皮にも栄養や酸素が行きわたるようになり、頭皮環境を整えることにつながります。
- 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
- 当帰芍薬散と同様に、血液の循環を良くすることに効果的な漢方薬のひとつです。薄毛の改善に役立つ可能性がある以外に、術後や病後などの体力低下や冷え性の改善など、幅広い目的で使用されています。
気虚:エネルギーが体内に不足することで、髪にハリやコシなどがない方
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
- イライラや不安などを抑え、自律神経の乱れを改善するのに効果的な漢方薬です。ストレスなどを解消することで自律神経が整い、栄養を身体に行きわたらせることで髪の毛に良い頭皮環境を整えられると考えられています。
- 六君子湯(りっくんしとう)
- 胃腸のはたらきを改善し、消化器系の機能を高める効果があるといわれる漢方薬です。胃腸の機能を高めることで自律神経の乱れを整え、全身をはじめ、頭皮環境を整えます。
腎虚:体内の老化が進み、抜け毛や薄毛が目立つ方
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
- 漢方薬の中で、「元気を補う」薬として有名なもののひとつです。胃腸の消化吸収の機能を整え、身体の状態を健康に保つことが期待できる漢方薬といわれています。食欲不振や風邪など、体力が落ちているときなどに処方される漢方薬です。
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
- 漢方でいう「腎虚」による症状とし、漢方でいうところの「腎」という生長や発育、生殖など司る機能を助ける効果が期待できます。主に高齢者に処方されることが多い薬で、倦怠感や疲労感の激しい人などに効果的といわれています。
漢方薬を飲むときはどんなことに注意すればいい?
漢方薬はそれぞれの体質や症状などに合わせて処方されます。また漢方の中にも「流派」のようなものが存在し、同じ症状でも流派によって処方される漢方薬が異なる場合もあります。
さらに漢方薬にも食欲不振などのさまざまな副作用が出る可能性があり、薬の飲み合わせによっては大きな不具合が出てしまうこともあります。薬を飲んでいる人や持病がある方は、必ず事前に医師へ相談しましょう。
また、妊娠中や授乳中の方は胎児や乳児に思わぬ影響が出る場合もあります。ドラッグストアなどで市販薬を購入する際には注意事項をよく読み、可能ならば医師から必ず許可をもらってから購入するようにしましょう。
おわりに:自分に合った漢方薬で、薄毛の改善を目指そう!
漢方薬が直接薄毛に効果があるわけではありません。ただし、漢方薬のそれぞれの効果で体質を改善し、より良い頭皮環境に整える効果が期待できます。気になる方は一度クリニックなどに足を運び、医師に相談してみましょう。