皮脂が多い人は薄毛になりやすいの?予防はできる?

薄毛

髪の毛についての情報は世の中にたくさんありますが、その中でもいくつか誤解されて伝わっていることもあります。
とくに、皮脂と薄毛の関係性では皮脂が悪者になりやすく、皮脂の本来の役割が世間に浸透していない背景があります。
そこでこちらでは、皮脂と薄毛の詳しい関係性と、薄毛の予防策を紹介していきます。

薄毛と皮脂はどのように関係しているのか?

皮脂の過剰な分泌は、脂性肌やニキビなどの肌トラブルを引き起こしますが、皮脂の分泌量が正常であれば肌を守ってくれるバリア機能となります。これは頭皮にも同じことが言えます。

頭皮全体を薄い膜で覆い、紫外線やほこりなどから守ってくれるこのバリア機能は、頭皮の水分を保持する働きもします。
また、適度な皮脂で頭皮が覆われていると、細菌などが繁殖しにくく、殺菌作用のような効果も望めます。
しかし皮脂の分泌が少なかったり過剰だったりすると、バリア機能がうまく働かなかったり炎症やニキビを引き起こしたりします。
とくに、皮脂が過剰に分泌されていると増えすぎた細菌を抑えるために免疫システムが働き、頭皮に炎症を起こして頭がかゆくなります。

これを脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)と呼び、頭皮がカサカサしてフケのような症状があらわれます。
過剰に分泌された皮脂が毛穴に詰まり、症状が重くなると脂漏性脱毛症を引き起こします。
頭皮にべたつきが感じられ、皮脂が毛穴に詰まっている状態を見た目で確認できるようになります。
最初は毛穴の表面で起こっている炎症も、次第に毛穴の奥まで広がり、頭皮が赤くなるのも特徴です。

どうやって予防すればいいの?

皮脂の過剰な分泌による抜け毛を防ぐためには、正しい予防方法を知りましょう。

頭皮を清潔に保つ

頭皮に皮脂が溜まった状態では、細菌の繁殖を招き、抜け毛の原因になりかねません。
正しい洗髪方法と適切なシャンプーを選び、毎日清潔な状態を保ちましょう。
シャンプーは洗浄力が強すぎると、頭皮に必要な皮脂も洗い流してしまい、頭皮の乾燥を招きます。
乾燥を防ごうと皮脂が過剰に分泌されるほか、頭皮のバリア機能が低下して炎症を起こしやすい環境になってしまうため、適度な洗浄力で低刺激な「アミノ酸系処方」のシャンプーを選ぶと良いでしょう。

「ラウレス硫酸Na 」や「ラウリル硫酸Na」といった成分表記のあるシャンプーだと、強い界面活性剤が配合されていることになるので洗浄力が強くさっぱりした感じがしますが、頭皮への刺激や脱脂力が強いので、抜け毛が気になる人にはおすすめできません。
シャンプーの洗い残しも細菌の繁殖の元になるため、十分すすぐようにしましょう。

バランスの取れた食事を摂る

健康的な毛髪を育てるためには、バランスの良い食事が必要です。
毛髪の主な成分である、たんぱく質やミネラル、ビタミンなどを多く含む食材を中心に、3食きちんと摂りましょう。
たんぱく質を摂るには青魚や大豆製品、ビタミンは緑黄色野菜やレバー、ナッツなど、ミネラルは魚介類や海藻類などに多く含まれているので、工夫して食事に取り入れてみてください。

ストレスをため込まず良質な睡眠をとる

ストレスをため込むと自律神経が乱れ、睡眠の質を低下させます。
良質な睡眠がとれなくなると睡眠サイクルが崩れ、育毛に必要な成長ホルモンの分泌が減少します。
適度に運動を行なったり趣味を楽しんだり、ストレスを発散させて自律神経を整えましょう。
お酒やたばこがストレス発散だという人は、頭皮に悪影響を与えてしまいますので、ほどほどにしましょう。

頭皮マッサージを行なう

頭皮マッサージを行なうと、頭皮の血流が促進されて老廃物が流れやすくなるほか、頭皮に必要な栄養素が届きやすくなります。
また、毛穴に詰まっている皮脂汚れも浮きやすくなるため、余分な皮脂が頭皮から落ちやすくなります。
毎日のシャンプーのついでに頭皮マッサージを行なうと良いでしょう。

おわりに:皮脂の役割を理解して薄毛対策に努めましょう

皮脂には皮脂の働きがあり、存在することで必要な役割を担っています。
単純に、皮脂を除去するのではなく、必要な量だけ皮脂を分泌することで薄毛予防に繋がるのです。
健やかな髪の毛を保つため、紹介した薄毛対策をぜひ試してみてください。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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