AGA治療の初期脱毛って何?防ぐことはできるの?
AGA(男性型脱毛症)の治療を始めてみたら「薬を飲んでいるのに脱毛が激しくなった!」と驚くことがあるかもしれません。しかしそれは「初期脱毛」と呼ばれる、治療の効果によってあらわれた反応のひとつなのです。
AGA治療の初期脱毛とは!?
AGAによる脱毛や薄毛を防ぐために治療を始めると、最初の1~2か月ほどの間は脱毛が激しく起こる「初期脱毛」があらわれることがあります。すべての人にあらわれるわけではなく、体質や症状の程度、治療薬への反応などが要因となって初期脱毛が発生しますが、特に髪の毛が持つ「ヘアサイクル」と大きく関係しています。
ヘアサイクル
髪の毛は3つの周期を繰り返しています。
- 成長期 毛母細胞が分裂し、髪が成長して伸びていく時期。4~6年ほど続く。
- 退行期 毛母細胞の働きが弱まり、新しい髪が生成されなくなる時期。2~3週間続く。
- 休止期 毛母細胞の働きが停止し、髪が抜ける時期。3~6か月ほど続く。
AGAとは、ヘアサイクルに乱れが起きて成長期の期間が短くなっている状態です。AGAの治療は、毛母細胞を活性化することでヘアサイクルの正常化を図り、休止期にある髪の毛を成長期へ進めさせようとします。すると、抜けるのを待っていた古い髪が、成長期に突入して生成された新しい髪に押し上げられ、急に激しい脱毛がみられます。
これが初期脱毛のメカニズムです。つまり初期脱毛は、治療の効果によって新しい髪が生成されているために起こっているといえます。
初期脱毛になりやすいのはどんな髪?どれくらい続くの?
初期脱毛は、短く細い毛に起こりやすいことがわかっています。正常なヘアサイクルで成長した髪は、太くて長さが十分にあるのが一般的です。ところがAGAの治療が必要となるような乱れたヘアサイクルで生成された髪は栄養が行きわたっておらず、短く細い毛になります。
初期脱毛での抜け毛の量は個人差が大きく、なかには多く抜けてしまう人もいますが、他人から見てはっきりわかるほどの抜け毛になることは少ないでしょう。
初期脱毛が治まるまでの期間にも個人差があります。多くの場合で1週間~2か月ほど続くと考えられており、平均して初期脱毛は一か月ほど続くとされます。
初期脱毛が起こったときは・・・
初期脱毛は治療が効いているために起こる現象であり、特別な対応をしなくても基本的には問題ありません。脱毛が気になるという人は、帽子をかぶる、髪型を変えるなどで初期脱毛の期間に感じるストレスを軽減してみてください。そのほか、ヘアサイクルを正常に整えるための対処法を試みながら、成長期への移行を待ちましょう。
- 頭皮ケアを兼ねた帽子選び
- 通気性がよく保湿性にすぐれた素材の帽子で紫外線や乾燥から頭皮を守ります。サイズが合わない帽子は頭皮を締め付け、血行を阻害するので避けましょう。
- 短めの髪型にする
- 見た目の印象として長い髪型だと脱毛が目立つことがあります。美容師などに相談しながらヘアスタイルを調整してみてください。
- 生活習慣の改善
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- 睡眠 就寝前の食事やカフェインの摂取は避ける。睡眠時間を30分~1時間増やす。
- 食生活 脂質の多いものを避け、魚介類と野菜を積極的に摂る。飲酒は控えめに。
- 運動 ウォーキングなど軽めの運動を日常生活に取り入れる。
- ストレス解消 ストレスは溜めずにこまめに解消する。
- 禁煙 喫煙は血流を悪化させるおそれがあり!
- ドライヤーの使い方
- 高温では使用せず、毛先からドライヤーを10cm以上離して使います。濡らしっぱなしは髪にダメージを与えますので、きちんと乾かします。しかし頭皮を完全に乾かしすぎると、水分量が不足した「オーバードライ」の状態になり頭皮や毛根を傷つけるので要注意。
- サプリメントの活用
- 食事では補え切れない栄養素は、サプリメントで補給します。
- ビタミンB6(頭皮の皮脂の過剰分泌を抑制)
- ビタミンC(抗ストレスホルモンの分泌を促進し、頭皮環境を整える)
- ビタミンE(血行を促進する)
- 亜鉛(髪の毛を作るたんぱく質「ケラチン」の生成をサポート)
- ノコギリヤシ(強力な男性ホルモンを抑制)
おわりに:初期脱毛は薬が効いている反応です。安心して大丈夫!
治療開始後の初期脱毛は、ヘアサイクルが休止期から成長期へと移っていく過程にあらわれる反応なので安心してください。初期脱毛期間中は、生活習慣の改善などヘアサイクルの正常化に力を入れるのもおすすめです。