毛母細胞って何?どうやって活性化すればいいの?
毛母細胞という名前を聞いたことはありますか?髪の毛の発育について調べていると、時々見かけるのがこの毛母細胞です。毛母細胞とはどんな細胞で、どのような働きをしているのでしょうか?また、毛母細胞を活性化するにはどのようにすればいいのでしょうか?
毛母細胞ってどんな細胞?
髪の毛は、皮膚の上に出ている「毛幹部」と、皮膚の下に埋まっている「毛根部」に分けられます。この「毛根部」のうち、細胞分裂を行う根元の部分はまとめて「毛球」と呼ばれます。毛球の中心部には「毛乳頭」という組織があり、この「毛乳頭」の周囲を取り囲むように位置しているのが「毛母細胞」という細胞です。
毛乳頭は全身を巡ってきた血液から栄養素を受け取り、毛細血管を通して毛母細胞に栄養を運び、毛髪の成長を助ける働きをしています。毛乳頭が十分な栄養分や酸素を受け取ると、毛乳頭の中にある「毛乳頭細胞」が毛母細胞に発毛シグナルを出します。すると、毛母細胞は毛乳頭から栄養分を受け取り、細胞分裂を繰り返します。
そして、だんだんと増えた細胞は長く連なっていき、徐々に毛穴の中を通って皮膚の上へと押し上げられていきます。やがて、十分に細胞の数が増えると毛穴から外に出るほど長くなり、角質化すると髪の毛になります。ですから、毛母細胞が順調に細胞分裂することで髪の毛が育つと言えるのです。
毛母細胞も全身の他の細胞と同様、加齢とともに老化していきます。また、加齢以外にもストレスや食生活の乱れなどで細胞の働きが低下することもあります。そのため、毛母細胞を含めて体内の細胞の老化を遅らせたい場合は、これらの生活習慣による部分を改善することも効果的な方法のひとつだと考えられています。
毛母細胞を活性化する方法とは?
毛母細胞を活性化するためには、「生活習慣の改善」「血行の促進」「必要な栄養素を摂る」「育毛剤を使う」の4つの方法があります。
生活習慣を改善しよう
生活習慣の改善では、主に以下のようなことに気をつけましょう。
- タバコやアルコールを控える
- 適度な運動を習慣にする
- 十分な睡眠をとる
- ストレスを溜めないようにする
タバコは血管を収縮させ、血流を悪くしてしまいます。また、アルコールを飲みすぎると、髪の毛を構成する「ケラチン」というタンパク質を作る臓器である肝臓が弱ってしまいます。タバコはできれば禁煙し、お酒も適量を守って楽しむようにしましょう。
睡眠不足やストレスも髪の毛の発育を弱めてしまいます。本来、睡眠中には成長ホルモンの働きで昼に紫外線などで受けたダメージを修復するのですが、これが行われないと髪の毛の修復も行われにくくなります。また、ストレスはタバコ同様に血管を収縮させ、血流を悪くしてしまいます。すると、髪の毛の周囲にある毛細血管が機能しなくなってしまうのです。
血行を促進する
髪の毛の成長には、血液によって栄養素がしっかり運ばれてくることが大切です。特に、頭部の血管は下半身にある血管の10分の1程度の細さしかないため、血流が悪くなったときに真っ先に影響を受けやすいのです。運動を習慣にしたり、脂っこい食事を控えて血流を良くしましょう。その他にも、以下のようなことに気をつけると血流を良くすることができます。
- シャワーだけで済まさず、毎日39度の湯船につかる
- 指の腹で押し揉むように頭皮マッサージをする
- 血行促進効果のある育毛剤を使う
頭皮マッサージは血流促進効果が期待できますが、あまり強く揉みすぎると頭皮を痛める可能性がありますので、くれぐれもやり過ぎないよう気をつけましょう。
必要な栄養素を摂る
髪の毛を育てるためには、「亜鉛」「タンパク質」「ミネラル」「ビタミンB」などの栄養素が必要です。これらは以下のような食材に含まれています。
- 亜鉛…牡蠣、うなぎ、レバーなど
- タンパク質…いわし、豚肉、豆腐、納豆、卵など
- ミネラル…昆布、わかめ、ひじきなど
- ビタミンB…小松菜、かぼちゃ、バナナなど
これらの食材を積極的に摂取するとともに、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
育毛剤を使う
血流促進効果も含め、育毛剤を使う方法もあります。育毛剤には、その他にもAGAの原因因子である「ジヒドロテストステロン」を抑制するものや、毛母細胞に直接働きかけて活性化を促すものなど、さまざまな種類があります。また、体質によって合う、合わないがあるものもありますので、自分の体質や頭皮の状態によって、医師や薬剤師に相談したり、色々な育毛剤を試してみると良いでしょう。
おわりに:毛母細胞は生活習慣や食生活で活性化できる!
毛母細胞を活性化するには、「血流を良くすること」「栄養を十分に摂取すること」が大きなポイントです。そこで、必要な栄養素を積極的に摂取することはもちろん、その栄養素が毛母細胞に届くよう、血流を良くすることも重要です。
頭皮の血管は下半身の10分の1と非常に細く、血流が悪くなるとすぐに影響を受けてしまいます。運動の習慣やストレスの解消を心がけ、血流に良い生活を送りましょう。