女性にもEDってあるの?女性性機能障害(FSD)について
女性の約30~50%が一生涯のうちで何らかの性機能に問題が生じるといわれ、苦痛を感じるほど重度である場合には女性性機能障害(FSD)である可能性があります。そこで今回は、女性性機能障害の種類や原因などをご紹介します。
パートナーとのセックスがうまくいかない人にとって、解決の糸口になるかもしれません。
女性性機能障害(FSD)とは!?
性交の際、女性が満足感を得られない、または苦痛に感じることを女性性機能障害(FSD)といいます。女性性機能障害は認知度がそれほど高くないだけでなく、研究もあまり進んでいないことなどから、マイナーな病気として受け取られがちです。
しかし女性性機能障害は、米国では女性全体の約43%にみられているとされ、45~64歳に発症しやすいといわれています。また欧米人と比べ、アジア人に症状が現れやすいことが知られています。ただし日本では病院などを受診する人は少数であり、デリケートな問題のため、受診そのものをためらっている人もいるかもしれません。
この女性性機能障害は、大きく以下の4つに分けられます。
性興奮障害
性的な欲求や性的興奮を感じない状態のことをいいます。膣が十分に濡れず、性交時に痛みが出ることや性器の膨張、充血などもみられない場合があります。また快感などもないため、オルガズムも起こりにくいといわれています。
オルガズム障害
マスターベーションでは快感を得られても、性交時には快感が得られない状態、またはこれまでにオルガズムを感じたことがない状態のことをいいます。
性交痛障害
腟痙攣と性交疼痛症の2種類があります。前者は性交への恐怖心などのために、腟が痙攣することによって陰茎の挿入が難しい状態のことを指し、後者の場合、骨盤内部や腟の入り口周辺に強い痛みがあるため、指の挿入も難しい状態のことをいいます。
性嫌悪症
マスターベーションができても、性交に対して嫌悪感などがあるため、相手や状況を問わず性交自体を受けつけられない状態のことをいいます。
女性性機能障害(FSD)の原因
女性性機能障害の原因には、身体的なものと心理的なものがあります。性交疼痛症の場合、子宮筋腫や腟炎などの外陰部の疾患など、病気が原因となっていることがあります。また腟や骨盤などの手術による影響で、性交時に痛みが生じる場合もあります。
一方、心理的な原因としては、日々感じているストレスや経済的困窮などが関係しているとされ、過去の性的虐待などのトラウマ、両親との関係なども性的欲求などに関係している可能性があります。また、オルガズム障害の場合には、性交への技術不足や過度な期待、パートナーとのコミュニケーション不足なども考えられます。他にも、テストステロンやエストロゲンなどのホルモン分泌異常や、抗うつ薬などが性欲低下につながる場合もあります。
改善には男性側の協力が必要。男性のEDが原因のことも
女性性機能障害は、原因を特定して改善していくことが最適です。ただし、ED(勃起不全)同様、女性性機能障害も一人で抱えていても解決することは難しいでしょう。また症状は人それぞれさまざまですが、パートナーに言えずに悩んでいる女性も珍しくありません。
さらに女性性機能障害の原因は男性のEDが引き金となっていることもあり、そのまま放っておくと深刻なセックスレスに陥ってしまいセックスの再開が難しくなってしまう可能性もあります。男性がEDを発症している場合は、早めに病院を受診しましょう。
2人の問題である以上、女性だけでなく、男性側も協力して治療を進めていくことが大切です。
おわりに:女性性機能障害は、パートナーと一緒に解決しよう
FSDは女性にとってデリケートな問題なだけに、男性のパートナーに相談してもらえないことかもしれません。しかしEDと同様に女性性機能障害も、決して一人で解決できる問題ではありません。早めに病院やクリニックを受診し、男女2人で協力しながら治療を進めていきましょう。