加齢が原因の薄毛とAGAの違いとは!?対策も違うの?

薄毛

髪の毛が薄くなってくると「何か対策をとらなければ」と思うものですよね。まずは薄毛の原因を正しく見極めることが重要です。薄毛の原因は加齢や「AGA(男性型脱毛症)」などさまざまあり、この記事でそのメカニズムを紹介します。

AGAと加齢による薄毛の違い

毛髪には寿命があり、毛周期というヘアサイクル(成長期、退行期、休止期)を繰り返すことで毛量を保っています。毛髪がなくならないのは、正しいヘアサイクルにより、髪の毛が抜ける本数と生えてくる本数のバランスが保たれているからです。

加齢で細胞の老化すると、毛母細胞という髪の毛のもとになる細胞が働かなくなってしまい、髪の毛が生えてこなくなってしまうことで薄毛になります。

一方、男性型脱毛症(AGA)は、男性ホルモンのひとつテストステロンが5αリダクターゼという酵素に反応して、ジヒドロテストステロンという強力な男性ホルモンへと変化し、このジヒドロテストステロンが毛母細胞(毛髪をつくる細胞)の働きを低下させてしまいます。
毛母細胞の働きが低下するとヘアサイクルの「成長期」の期間が短く「休毛期」の期間が長くなり、薄毛になってしまうのです。

5αリダクターゼの分泌量は人それぞれで、遺伝の影響を大きく受けると考えられていますが、親がAGAだからといって必ずAGAを発症するわけではありません。また、AGAは30代以降になりやすいといわれていますが、発症に年齢は関係なく、早い人だと20代から始まる人もいます。

加齢で薄毛になるのはなぜ?

年齢を重ねるにつれて髪質が変わることがありますが、これは老化とともに細胞の機能が低下することが原因です。このような加齢による薄毛を「老人性脱毛症」といいます。

髪の毛は頭皮の毛穴から生えています。毛根を含む毛穴全体は、毛髪の成長に関係する組織「毛包」に包まれていて、毛包幹細胞の周辺には「17型コラーゲン」というタンパク質が存在してます。加齢によって17型コラーゲンが減少すると毛包が小さくなり、髪の毛が生えてこなくなるということが研究でわかってきました。
また、加齢によって「動脈硬化」が進むと、血行が悪くなり頭皮まで酸素や栄養が届かなくなります。頭皮に酸素や栄養が届かなくなると、毛髪はきちんと成長できません。
この状態が続くことで、薄毛になっていくのです。

加齢による薄毛とAGAの対策の違いとは!?

加齢による薄毛とAGAでは原因が異なることを紹介しました。では対策方法にはどのような違いがあるのでしょう。

加齢による薄毛

ひとりの人間が持つ毛包の数は、胎児の時点で決定されます。そのため毛包の数を増やすことはできませんが、その機能をできるだけ維持するようにケアすることで、ある程度防げるようになります。
加齢は誰にでも起こるものですので確実な治療法はありませんが、以下のように生活習慣を改善することで進行を抑えることができます。

睡眠時間の確保
早寝早起きを心がけて十分な睡眠時間をとります。夜更かしは頭皮が受けたダメージからの回復を妨げます。
バランスの良い食生活
良質なタンパク質、緑黄色野菜など発毛につながる栄養を摂りましょう。悪玉コレステロールの働きを抑え動脈硬化を防ぐためにも、栄養バランスは大切です。
適度な運動
軽めの運動を日々の生活に取り入れて継続すると、細胞が活性化され新陳代謝が向上します。
シャンプーの見直し
シャンプーで頭皮を清潔に保つことは重要です。でも、洗いすぎは頭皮と毛髪を傷めます。ご自身の髪質や肌質に合ったシャンプーを選びましょう。

AGA

AGAは生活習慣の改善だけでは、対処が難しいです。クリニックに相談してAGA治療薬が必要か相談しましょう。

生活習慣の改善バランスのいい食生活、睡眠時間の確保、シャンプーの見直しが挙げられます。また喫煙は血行を悪くさせますので、頭皮にも悪影響を与えます。過労やストレスも自律神経を乱し、睡眠不足などをもたらします。AGA治療薬

AGAの治療薬には、5αリダクターゼの発生を抑制し、テストステロンがジヒドロテストステロンへ変化するのを抑える効果があります。AGAは進行性の脱毛症ですので、早く治療を始めることをおすすめします。「もしかしたら自分はAGAかもしれない」と思ったら早めにクリニックに相談しましょう

おわりに:薄毛の原因を見極めて適切な対策をとりましょう

加齢による抜け毛の主な対策は生活習慣の改善です。AGAはさらに治療薬の服用をとることもあります。気になる症状が見られたら早めにAGA専門クリニックを受診し、原因を特定したうえで治療を始めましょう。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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