フケが薄毛のサイン!?粃糠性脱毛症と脂漏性脱毛症に注意しよう!
強い日差しや紫外線を浴びて、気がつかないうちにあなたの頭皮も痛んでいるかもしれません。頭皮に何らかのトラブルが起きると、上着の肩にフケがつくこともあります。フケは頭皮の危険信号です。
以下で、薄毛の原因となるフケの種類と対策についてご紹介しましょう。
フケが薄毛を招く原因とは!?
目に見えない程度の大きさのフケは、頭皮の新陳代謝によって起こるため問題ありませんが、目に見える大きさのフケが上着などに付着したり、頭皮を触っただけでフケが落ちるようであれば注意が必要です。
また、フケには以下の2種類があります。このうち、どちらのフケが薄毛を招くのでしょうか?
- 乾性フケ
- 乾いたフケ。皮脂の分泌が悪いため、粉状になっていることが多い
- 脂性フケ
- 脂をふくみ、湿っている。頭皮の皮脂線が多いだけでなく、皮脂の分泌異常によっても起こる
実は、どちらの種類も薄毛の原因となる可能性があります。
乾性フケは毛根をふさぐため、かゆみやかぶれをともなった炎症を起こすことがあります。やがて、頭皮全体が乾燥し、髪が次第に痩せて薄毛につながります。
また、脂性フケは毛穴を詰まらせるため「脂漏性皮膚炎」の原因となります。稀にですが、脂性フケをエサとした細菌が繁殖し、炎症がひどくなるケースもあります。これらの炎症が薄毛の原因となります。
フケの原因:粃糠(ひこう)性脱毛症と脂漏性脱毛症
それでは、上記の乾性フケが引き起こす「粃糠性(ひこう)性脱毛症」、そして脂性フケが引き起こす「脂漏性脱毛症」について、それぞれ見ていきましょう。
「粃糠性性脱毛症」
聞きなじみのない脱毛症かもしれませんが、思春期以降の男子に多くみられ、女性にも多いという特徴があります。いわゆる「ふけ症」と「脱毛」が合併した脱毛症で、頭皮が赤く変色して痒くなります。頭皮がかゆいため掻くと、さらにフケが出現するという悪循環がみられます。原因は解明されていませんが、治療の基本は、皮脂のコントロールやステロイドの外用などです。
「脂漏性脱毛症」
特に30〜40代に多くみられ、脂漏部位といわれる皮脂の分泌がさかんな部位が赤くなり、それにともないフケが多く出てきます。痒みはあっても少ないか、あっても軽いのが特徴です。一度症状が出ると慢性的な経過をとることが多いので、皮膚科の受診が必要になります。近年では、皮膚に常在しているマラセチアというカビ(真菌)の一種が発症に関係していることがわかっており、マラセチアは皮脂を栄養源とするため、皮脂の量が増えるとマラセチアも増殖します。治療には、ステロイドの外用が効果的です。
フケの予防対策とは!?
フケを予防するには、以下のような日常対策が有効です。
- 外出時は、帽子や日傘を使用して紫外線を避ける
- 頭皮を傷つけないように、毎日シャンプーを行う
- 「ミコナゾール硝酸塩」配合のシャンプーを使う
- ぬるめのお湯で十分にすすぎ、汚れを洗い流す
- 揚げ物やスナック菓子の摂取を出来るだけ避ける
- 十分な睡眠をとって生活リズムを整える
このほかにも、適切な洗顔(基本は朝晩の1日2回)によって、脂漏部位を清潔に保つこと、ビタミンB群を多く含む食品(レバー、しじみ、牛乳、卵、ほうれん草、トマト、キャベツ、しいたけなど)を積極的に摂ること、コーヒーやアルコール、香辛料の摂りすぎに注意することなども、フケを防ぐためのポイントです。また、ストレスや過労もフケの増悪因子となるので、気をつけてください。
ただし、「粃糠性性脱毛症」「脂漏性脱毛症」ともに治療が必要になることも多いので、毎日のセルフケアはもちろんのこと、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
おわりに:フケは頭皮の危険信号。原因と対策を知って健やかな頭皮に!
フケが出たからといって、すぐに薄毛に結びつくわけではありません。しかし、フケは何らかのトラブルが起きていることを知らせてくれます。すみやかに適切なケアを行い、薄毛になる前に健やかな頭皮を保つようにしましょう。