心が原因のED「心因性ED」を改善するノンエレクト法とは!?
ED(勃起不全)には、ストレスやトラウマなど、精神的な原因によって引き起こされる「心因性ED」と呼ばれるものがあります。以下、この「心因性ED」に対して有効な治療法の一つ、ノンエレクト法についてご紹介していきます。
心因性ED ― ストレスなどが原因の年齢に関わらず起こるED
「勃起しなければいけない」という精神的なプレッシャーや焦りは心因性EDの大きな原因の一つです。また、そのような精神的ストレスはさらなる勃起不全を引き起こすため、「勃起不全→精神的ストレス→勃起不全→精神的ストレス」というような負のスパイラルを形成してしまいます。
心因性EDは年齢などに関わらず、以下の2つに分けることができます。
現実心因
現実の日常生活における、ちょっとしたことがストレスとなり、EDを引き起こすケースです。パートナーの「今日もダメなの?」「役に立たないわ」というような何気ない一言がストレスとなってしまった場合、あるいは毎日仕事で疲弊している、経済的な問題を抱えている場合なども、この現実心因にあたります。これらはカウンセリングや薬の服用で、比較的簡単に治ることがあります。
深層心因
日常的には特に思い当たるストレスがないにもかかわらず、幼児期のトラウマなど心の深層にある問題が原因となって、EDを引き起こすケースです。この場合、原因は無意識、あるいは意識化にあるため、本人には原因の見当がつかないままEDという現象だけが起きてしまいます。これらのケースは、原因解明に時間を要するため、治療がスムーズにいかないこともしばしばです。
心因性EDの治療法:ノンエレクト法とは!?
さまざまな勃起不全の中でも、この心因性EDに対して、薬を使わずに改善を試みる行動療法の一つが、ノンエレクト法です。ノンエレクト法は、先述した「勃起しなければいけない」という精神的なプレッシャーや焦りを取りのぞき、患者を負のデフレスパイラルから脱却させることができます。また、投薬を必要としないため治療における副作用などを考えなくても大丈夫です。
ノンエレクト法を行うにあたって何より大切なことは、これが性行為を目的としたものではなく、あくまで“半勃起の状態で敏感な亀頭部に行う感覚集中エクササイズ”であるとカップルで理解すること、そして、男性は勃起させてはいけないと強く認識することです。
以下、ノンエレクト法の手順になります。この過程でもし勃起してしまうようなら、挿入状態を解除し、勃起がおさまってから再挿入させてください。また、軽いピストン運動はオッケーですが、深い挿入をしてはいけません。
- いつも通り、互いに愛撫を行う
- 男性はペニスの根元を指で圧迫し、亀頭部をうっ血させる
- 女性器が湿潤であれば、2の状態の亀頭を膣に挿入する
- 挿入した状態で、男性は膣内の暖かさ、柔らかさに意識集中する
- 十分に腟内の暖かさや柔らかさを実感できたら、終了
ただし、このノンエレクト法は心因性のEDに対してのみ効果を発揮するため、すべてのED患者に対して有効というわけではありません。また、奥さんや恋人など精神的な繋がりの深いパートナーの協力が不可欠であること、手間や時間がかかることなどから、細かい条件が揃わない場合には難しい治療法かもしれません。
したがって、このノンエレクト法を行う条件が揃わない、あるいはなかなか効果が出ないような場合には、心因性EDにも有効な治療薬の服用を考えてみましょう。
ノンエレクト法以外の治療方法は?
このほかにも、心因性EDの治療には心療内科や専門家によるカウンセリング、PDE5阻害薬などによる薬物療法などがあります。これらで効果がみられない場合にも、症状によっては男性ホルモン補充療法、陰茎への注射、陰圧式勃起補助具、陰茎海綿体に勃起を起こさせるシリンダーを埋め込む手術など、さまざまな治療法があります。
カウンセリングで悩みや不安を聞いてもらうだけでも、自信を回復する人は多くいます。また、心因性EDにも効く治療薬があることを知るだけで、少しは心が軽くなる人もいることでしょう。万が一、ノンエレクト法がうまくいかなかったとしても、落胆する必要はありません。
おわりに:ノンエレクト法以外にも治療法はあるので、まずは安心を!
心因性EDは、誰でも陥る可能性のある症状です。一人で思いつめて症状を重くせず、早めに受診をすることが何よりも大切です。とにかく心をリラックスさせて、さまざまな治療法にチャレンジしてみましょう。