薄毛の原因が生活習慣病にある?予防するにはどうすればいい?
日本人男性の約3人に1人が、薄毛を気にしているといわれています。「抜け毛が増えてきた」「地肌が透けて見えるような気がする」など気になることがあれば、それは体からのSOSかもしれません。ここでは、薄毛の原因と生活習慣病の関係について、詳しく解説をしていきます。
男性の薄毛の原因とは!?
薄毛とは、何らかの原因で髪が細くなったり、抜け落ちたりすることで、全体の頭髪の量が減って「髪の毛が薄くなる」状態になることを指します。原因には、大きく分けて以下の4つが考えられますが、どれか1つが原因ということはなく、複数の原因が影響しあっているケースが多いでしょう。
男性ホルモン
男性ホルモン(テストステロン)は、髭や体毛などの成長を促進しますが、頭髪にとっては逆の効果をもたらします。男性ホルモンが毛髪に対して悪影響を及ぼすジヒドロテストステロンに変化することで、毛乳頭細胞の分裂が抑えられ、髪の成長を妨げる可能性があるのです。
遺伝
薄毛には遺伝的要素も大きく関係するとされています。ただし、現在では男性ホルモンを受け取る受容体の遺伝子を調べて男性ホルモンの影響を受けやすい体質か否かを調べることが出来るので、個々にあった治療方針を立てることも可能です。
ストレス
ストレスは、心身ともに悪影響を及ぼします。薄毛や抜け毛にとっても例外ではありません。イライラや不安などのストレスが自律神経やホルモンバランスを乱し、血流が悪くなることで毛根に十分な栄養素を運べない状態となります。
食事・生活習慣
髪の毛の生成に必要なビタミンやミネラルは、日常の食生活では十分に摂取できていないことが多く、さらには不規則な生活も髪の成長を妨げる原因となります。食事の偏りなどで皮脂の分泌が多くなると、毛穴が詰まったり皮膚に炎症を起こし、髪の成長を阻害することがあります。
生活習慣病は薄毛に関係している?
生活習慣病とは、食生活や運動不足などの生活習慣の乱れ、過度なタバコやアルコールなどを原因に発症する、肥満症や高血圧、糖尿病などの総称です。実はこの生活習慣病が、薄毛に関係しているかもしれません。
なぜなら、生活習慣病を引き起こすような栄養バランスの悪い食事、タバコやアルコール、睡眠不足などは体の新陳代謝を低下させて頭皮にも悪影響を及ぼすため、結果として薄毛につながる可能性があるためです。
また、男性で35歳未満の早期に薄毛症状が起こる場合、インスリンの働きが低下するインスリン抵抗性(糖尿病の前段回)の発症指標になることが報告されています。インスリン抵抗性を持つ人は、次第に肥満や脂質異常、高血圧などの生活習慣病を合併していくことになりますから、薄毛の悩みを持つ人は、先述した心臓や脳、あるいは前立腺などに疾患を引き起こすリスクがある、という説もあるほどです。
逆にいえば、生活習慣病の予防をすることが薄毛の予防にもつながるといえるでしょう。いずれにせよ、生活習慣病と薄毛には因果関係があると考えられます。
では、生活習慣の改善だけで薄毛は予防できるの?
それでは、薄毛の予防のために、いったい何をすればよいのでしょうか? 以下、見直したい生活習慣のポイントをご紹介します。ただし、薄毛やAGA(男性型脱毛症)の原因は、人によってさまざまです。なかには治療が必要となるケースもあるため、進行状態や症状に合わせてクリニックでの治療なども視野に入れるようにしましょう。
睡眠
髪は寝ている間に育つといわれています。それは、髪の成長を促進されるホルモンが深い眠りの最中に分泌されるためです。スマホやPCのブルーライトにはくれぐれも気をつけて、睡眠の質と量を見直してみましょう。
飲酒・喫煙の習慣
適度なお酒は血行を良くするといわれますが、度を越したアルコールとなれば、話は別です。なぜなら、髪の毛を生成するために欠かせないアミノ酸が、アルコール分解に使われてしまうからです。また、喫煙も血行を悪くするため、必要な栄養が頭皮に届かなくなる恐れがあります。
食生活
薄毛の改善のために必要な栄養素は、タンパク質、ミネラル、ビタミンです。なかでも、髪の毛の99%はタンパク質の一種であるケラチンによって構成されているため、髪を生成するためにタンパク質は必要不可欠とされています。
運動
定期的な運動は薄毛の改善にも生活習慣病を予防するためにも大切ですが、なかでもジョギングやウォーキングなどの有酸素運動が効果的とされています。理由は、有酸素運動を行うことで、血行の滞りを解消することが出来るためです。
おわりに:生活習慣病と薄毛の因果関係を知り、予防に努めよう!
無関係に思えるような生活習慣病と薄毛ですが、そこには密接な関係があることがおわかりになったかと思います。食生活や運動などの生活習慣を見直して、薄毛だけでなく、生活習慣病も予防しましょう。