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EDは病気の前兆!?コンプレックスを乗り越えるために何ができる?

ED

勃起できない、またはセックスに十分な勃起が得られないことを指すED。
男性なら誰にでも起こり得るこの問題について、どんなイメージを持っていますか?
今回はEDについて、その定義やEDの背後に潜む病気の可能性、またED改善のための対処やセルフケアを解説していきます。

EDに対するイメージには誤解が多いって知ってた?

2016年に20~60代の男女に行ったEDに関する意識調査では、男性がEDに対して抱く認識について以下のような結果が得られました。

EDに関する意識調査の結果

  • 男性全体のうち20%弱の人がEDを自覚しているが、発症は年代が上がるごとに増えている
  • EDを自覚する男性のうち半数以上が、性生活への男性としての自信をなくしたと回答
  • EDを深刻な問題と捉える女性が40%程度なのに対し、当事者となる男性は60%程度
  • パートナーとの関係が変わることを懸念するED男性は、60%程度

この結果から、多くの男性がEDを自らの性生活・人生に対して大きな問題と捉えていること、ED発症の可能性に対し大きな不安を抱いていることがわかります。

また、別の調査ではEDの症状の定義と原因について、医学的な事実と一般的な認識に大きなズレがあることも分かってきました。
医学的にEDとは「勃起がなかなか起こらない、セックスに十分な程度に至らない、持続しない」症状があることと定義されています。
しかし調査では上記に加え、一定数の人たちから以下の症状もEDによるものと勘違いされていると判明しました。

  • 射精できない
  • 性欲がわかない
  • 性的に興奮しない
  • 早漏や遅漏

EDは、一般的にイメージされる男性ホルモン分泌量の低下や血管機能・身体機能の低下、心理的な問題以外に、生活習慣病の初期症状・前兆として起こることもあります。

しかし、同調査でEDと生活習慣病に関係がないと考える人は3割を超える人数になりました。
ここまでに見てきた内容からわかるように、EDの症状の範囲や原因についてはあまり一般的に知られておらず、さまざまな誤解があるのが現状です。

EDのコンプレックスや不安を乗り越えるには、何が重要!

EDを乗り越えるには、まず自分がEDを発症しているかどうかを正しく理解し、病院を受診したうえで原因に応じた治療を受ける必要があります。

以下の症状に当てはまる場合はEDの可能性が高いので、病院の受診を検討しましょう。

  • 性的な興奮は感じるのに、なかなか勃起が起こらない
  • 勃起しても、満足なセックスを行うのに十分な勃起状態が得られない
  • 勃起しても、満足なセックスを行うのに十分な勃起状態が持続しない

なお、あらためてEDの原因となり得る要素をまとめると、以下のようになります。

  • 生活で蓄積されたストレスの他、妊活やセックスに対する不安・不満
  • 加齢によって男性ホルモンの分泌が減少し、男性機能が低下したことによるもの
  • 糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病
  • 脳出血、脳腫瘍、脳外傷、パーキンソン病、アルツハイマーなど神経系の疾患
  • 前立腺がん、膀胱がん、直腸がんなどの治療による男性器周辺組織の損傷
  • 前立腺肥大症、腎不全、陰茎疾患などの男性器周辺・腎臓の疾患
  • 服用している薬の副作用

EDを引き起こす原因は、人によって異なります。
本人に思い当たる節がないままEDを発症しているケースも多いので、ED原因の特定には病院で詳しく調べてもらう必要があると覚えておきましょう。

病院で「問題ない」と言われたときのためのセルフケア

ここからは、ED改善のために自分でできるセルフケアを2つご紹介します。

《1》規則正しい食事・生活習慣を心がける
前述したように、EDは生活習慣病やストレスが原因でも起こります。
このため、体質を改善してストレスをため込まないよう、食事内容と生活習慣を見直すだけでもかなり効果的なセルフケアになります。
1日3回決まった時間に食事を摂り、ストレス解消に効果的な30分ほどの軽い運動と7~8時間の睡眠を確保できるように、少しずつ生活を変えてみましょう。
《2》血流改善のため、ふくらはぎのマッサージを習慣化する
ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれるほど下半身、そして全身の血行に影響する部位です。
血流改善のためのふくらはぎマッサージを習慣化して、少しでも海綿体に血液が流れこんで勃起しやすくなるよう、ケアしていきましょう。
まず、足の指を曲げたときにできる足裏のくぼみまでを親指でこねるように揉み、くるぶしから膝浦まで絞るように揉むと効果的です。

ただし、セルフケアはあくまで補助的なものであり、本格的なED治療ではありません。
EDの背景には、心身に重大で根深い問題が潜んでいる可能性が高いですので、EDを自覚しているなら、必ず一度は病院で診てもらってくださいね。

おわりに:EDは生活習慣病の前兆かも!まずは自覚と原因の特定を

精神的な問題や男性機能の低下によるものと捉えられがちなEDですが、発症原因は実にさまざまなため、背景に生活習慣病が隠れていることもあります。原因の特定には医師による検査が欠かせませんが、まずはEDの症状の範囲を正しく理解し、自分がEDであるかどうかを自覚しましょう。EDであると考えられるなら、できるだけ早く病院に行って検査を受け、原因に応じた治療を始めるようにしてください。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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