性行為が薄毛の原因になる!?都市伝説のウソ、ホント
男性の進行型の薄毛の原因や解消法に関しては、医療的に正しいものからうわさ・都市伝説レベルのものまで、さまざまな俗説が広く知られていますよね。
そのなかの1つで「性行為が薄毛の一因になる」という話を聞いたことはありませんか?
今回は、薄毛の進行と性行為・自慰行為に本当に関係があるのか、薄毛の解消に役立つ情報とともに解説していきます。
薄毛と性行為(セックス、自慰行為)は関係ある?
射精を伴う性行為・自慰行為そのものが、薄毛の進行に直接関係することはありません。
「性行為や自慰行為で射精すると薄毛になる」という俗説は、性的興奮が代表的な男性ホルモンで、薄毛を促進するというテストステロンを分泌させることを根拠としています。
また、精子と髪の毛の共通の原料であるタンパク質や亜鉛が、射精することで精子の生産の方にばかり使われるため、薄毛につながるという考え方もあるようです。
しかし上に挙げた2つの根拠は、以下3つの理由から正しくないものと考えられています。
- テストステロンが単体で薄毛に作用するという化学的根拠は、確認されていない
- テストステロンは、むしろ男性らしい身体つきや体毛の発育を促進する
- 射精しなくても、性的なことを考えて興奮するだけでもテストステロンは分泌される
なお一方で、射精するとあるタンパク質・亜鉛が体外に放出され、髪の毛をつくる材料が少なくなってしまうことは事実です。
つまり、性行為・自慰行為自体が薄毛に大きく影響するとは考えにくいものの、射精回数を増やすと髪への栄養が足りなくなり、薄毛が進行する可能性はあるということです。
むしろ、禁欲は薄毛を招くって本当?
一般的な頻度の性行為・自慰行為で射精することよりも、無理に禁欲してストレスを溜めることの方が、髪には悪影響と及ぶと考えられています。
これは、人の体が強いストレスを感じると、身体に以下のような反応が生じるためです。
- ホルモンバランスが乱れ、テストステロンの分泌が過剰になる
- 亜鉛の消費量が多くなり、薄毛を促進する5α-リアクターゼを抑えられなくなる
- 自律神経の乱れから血行不良が起こり、毛根に十分な血液・栄養が届かなくなる
- 内臓機能が低下し、発毛・育毛に必要な栄養成分を吸収できなくなる
- 身体を老化させる活性酸素が多く分泌され、正常な育毛が妨げられる
このように、ストレスによって生じる身体の変化は、髪の毛によくないことばかりです。
性欲や射精よりも、無理してまで徹底的に禁欲することのストレスの方が、はるかに薄毛を進行させるリスクが高いと知っておいてください。
薄毛のためにも、性の悩みのためにも亜鉛が大事!
性ホルモンや精子の生成、またタンパク質の合成や髪の毛を成長させる過程にもかかわっている亜鉛は、男性の性的機能と薄毛の悩みをどちらも解決してくれる栄養素です。
肉類や貝類など動物性タンパク質に豊富に含まれ、普段から栄養バランスの良い食事を摂っていれば、著しく不足することはまずありません。
ただし、タンパク質は腸からの吸収率が低く、好き嫌いやダイエットで偏った食事ばかりとっていると、必要量を吸収できず薄毛を加速させてしまう可能性があることは覚えておきましょう。
薄毛や性的機能について悩んでいるなら、普段から主菜として肉や貝類を取り入れるようにし、毎日適度な量の亜鉛を継続的に摂るようにしてください。
おわりに:性行為・自慰行為による射精は薄毛と関係ない!ストレスの方が悪影響
適度な回数であれば、性行為・自慰行為に伴う性的興奮や射精が、男性の薄毛を促進させてしまうということはありません。むしろ、無理に性的興奮や性欲を抑えることで発生するストレスの方が、発毛・育毛に著しい悪影響を及ぼすのです。薄毛を気にしていて、進行を少しでも抑えたいと考えているなら、禁欲するよりも食生活を見直しましょう。
ただし、髪の毛に良い亜鉛を含む肉類・貝類を中心に、栄養バランスの良い食事を心がけてくださいね。