テストステロンが多い人は、モテるって本当?

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男性ホルモンの1つに「テストステロン」という物質があるのですが、これが多いと「異性からモテる」といわれています。しかし、これにはやや語弊があるので注意が必要です。今回はこの事実関係を解説しつつ、テストステロンが減少した場合のデメリットなどを紹介します。また、テストステロンの増加を促すサプリメントも併せて紹介したいと思います。

テストステロン値が高い=モテるわけではない

テストステロン値が高いからといって、必ずしも異性からモテるという訳ではありません。しかし、少なからず「テストステロン値とモテには関係がある」ようです。そこで、まずはテストステロン値が高いと、どのようにモテに繋がるのかを確認したいと思います。

心理的・性格的な側面に良い影響を与える

テストステロンには「男性らしい身体を作る」という働きがあり、たとえば、骨や筋肉の形成、ヒゲや体毛の成長、性行動や性機能などに関係しています。また、テストステロンは、体脂肪を減少する働きがあると分かっており、体型の維持などに役立つと期待できます。

さらに、テストステロンは性格や社会性などにも関係していることが、近年の研究によって明らかになっています。具体的には、テストステロン値が高い場合は、冒険心やチャレンジ精神、ボランティア精神、競争心などが強くなる傾向にあるのです。このように、テストステロンは単に肉体面の形成だけでなく、精神面・心理面にもよい影響を与えているのです。

ひいては人気を集めることに繋がる

テストステロン値が高いと、冒険心が強く、チャレンジ精神にあふれているため、周りから「魅力的な人」という印象を持たれやすくなります。また、リーダーシップも発揮しやすくなるので、他者から信頼されたり、尊敬されたりもします。その結果、モテに繋がると考えられます。つまり、自信に満ちた行動を取っていることが、人気を集める理由なのです。

テストステロンが少なくなると、病気の原因になることも・・・

テストステロンにはさまざまな働きがあるため、その分泌量が減少すると、身体に悪影響が現れてしまいます。その悪影響を具体的に紹介するので、よく理解しておいてください。

男性更年期障害やEDなどを引き起こす

テストステロンが少なくなると、「男性更年期障害(LOH症候群)」という病気を引き起こします。この病気は名前からも分かるとおり、男性の更年期障害のことです。その症状は性機能低下をはじめ、身体的症状や精神的症状が現れる場合もあります。精神疾患と重なる症状もありますが、テストステロンが少ない場合は男性更年期障害の可能性が高いです。

また、男性更年期障害はED(勃起不全)の原因にもなります。この理由は、テストステロンが十分に分泌されていないと、「サイクリックGMP」という勃起を促す物質を十分に作ることができないからです。さらに、テストステロン値が低くなると、性欲自体も落ちてしまう場合もあります。その結果、「よりEDが深刻になってしまう」恐れがあるので注意が必要です。

生活習慣病や動脈硬化の原因にもなる

テストステロンが少ない方には、「内臓脂肪が増えやすい」という傾向が見られます。簡単に言うと「太りやすい」ということであり、生活習慣病のリスクも高くなるということです。さらに糖尿病のように、テストステロンの分泌を妨げてしまう生活習慣病もあります。このように相互に悪影響を与えてしまう危険性もあるので、十分注意しておくと良いでしょう。

また、テストステロン値の低下は、動脈硬化の原因にもなります。この理由はテストステロンには血管を拡張する作用があるので、十分に分泌されていないと、血液をスムーズに流せなくなるからです。また、先に挙げた生活習慣病も、動脈硬化を進行させる要因になります。その結果、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの発症リスクが高くなってしまいます。

その他にも、さまざまな病気の原因になる

その他にも、テストステロンの減少はさまざまな身体的トラブルの要因になります。たとえば、認知症や前立腺がんなどの病気に加えて、骨折などのケガとも関係しています。このように多くの病気・ケガと関係し、場合によっては命に関わる危険性もあるので注意が必要です。

テストステロンを増やすためのサプリメントはある?

テストステロンを増やしたい場合には、サプリメントを使うのもオススメです。以下では、「テストステロンの分泌を促す作用」がある栄養素をご紹介します。もしサプリメントの購入を検討している場合は、以下の内容も参考にしてください。

亜鉛やマグネシウムなどのミネラル

亜鉛はミネラルの一種であり、「セックスミネラル」としても知られています。亜鉛にはいくつかの作用があり、その中に「性ホルモンの合成」や「精子の生成」などがあります。そのため、テストステロンを増やしたいのであれば、亜鉛を摂取するのがオススメといえるでしょう。

また、マグネシウムも「性ホルモンの合成」などに関係しているためオススメです。実際、マグネシウムが欠乏状態になると、テストステロンも低下すると分かっています。そのため、テストステロンを増やすために、マグネシウムを摂取するのも良いかもしれませんね。

アルギニンやシトルリンなどのアミノ酸

アルギニンやシトルリンには血管を拡張し、血行を促進する働きがあります。また、これらのアミノ酸は「男性ホルモンの分泌」とも深く関係しており、テストステロンを増やすためには重要な栄養素となっています。なお、これらのアミノ酸を摂取する場合は、両方を一緒に摂ると良い効果が期待できます。

ビタミンEやビタミンB6などのビタミン

テストステロンは酸化に弱いといわれているため、抗酸化作用を持つビタミンEやビタミンCなどの摂取が良いとされています。また、テストステロンは不眠やストレスにも弱いとされているので、「セロトニン」という脳内伝達物質を増やすことが大切です。セロトニンはトリプトファンから作られるのですが、その際、ビタミンB6を一緒に摂取する必要があります。

おわりに:モテや健康づくりのためにも、テストステロンを補いましょう!

テストステロン値が高いと冒険心、チャレンジ精神、リーダーシップなどが強くなるため、周りから「魅力的な人物だ」と思われやすくなります。また、テストステロンはモテ以外にも、健康を維持するためにも重要な物質です。長く健康に過ごすためにも、テストステロンを意識してみてはいかがでしょうか。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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