動脈硬化が薄毛の原因になる!?食べ物で予防できる?

薄毛

体を動かすのに必要な血液を送る大きな血管が、硬く狭くなってしまうことで起こる動脈硬化。命にもかかわる重大な病気ですが、薄毛にもつながることを知っていますか。
今回は動脈硬化と薄毛の関係について、予防法とあわせてご紹介していきます。

動脈硬化が薄毛の原因になることがあるのは何故??

動脈硬化は、血中のコレステロール値や脂肪・糖の値が増えることが原因で、血液の通り道である血管が狭くなり、血流が滞ってしまう病気です。

血中にコレステロール・脂肪・糖などの不純物が多くなると、沈殿して血管内の内壁に付着したり、内壁の傷から血管組織に入り込んで酸化を起こすようになります。
すると、遺物である酸化した沈殿物を処理するため、免疫細胞の一種マクロファージが集まり、処理をする過程でプラークといわれる血管内の出来物に変化します。

プラークができることにより、血管内の血液が通れるスペースが狭くなることで初期段階の動脈硬化を発症します。
プラークは破損しやすく、破裂や損傷を繰り返すたびに血小板でかさぶたを作って修復しますが、これを何度も行ううちにプラークはどんどん巨大化していきます。

大きくなればなるほど血流は阻害されるようになり、やがて血液の通り道すべてを閉鎖するほど大きくなったプラークは「血栓」となって血流を止めてしまうのです。

全身を健全な状態に保ち、生きていくために必要な酸素や栄養素を運んでいる血液の流れが滞ると、体のいろいろな部分に支障が出てきます。

頭髪も例外ではなく、動脈硬化が起こる部位や進行度合いによっては、発毛・育毛に必要な栄養が頭皮まで届かなくなり、薄毛の一因となる場合があります。

こんな症状・状態が続いているなら、動脈硬化の可能性がある!?

動脈硬化が薄毛に関係しているとわかったところで、ここからは、動脈硬化の可能性が疑われる身体の変化や、生活習慣についてご紹介していきます。
以下の項目に当てはまる数が多いほど、動脈硬化の可能性が高いと推測できます。

  • 好きなものをおなかいっぱい食べるのが日々の楽しみで、太っている自覚がある
  • おへそ周りの腹囲が男性で85㎝以上、女性で90㎝以上ある
  • 健診でLDLコレステロールが140㎎/dl以上、HDLが40㎎/dl以上と言われた
  • 健診で、中性脂肪の数値が150㎎/dl以上だと言われた
  • 健診で血糖値が高め、または糖尿病予備軍と指摘されたことがある
  • 健診で脂質異常症、糖尿病、高血圧など生活習慣病だと宣告された
  • 家族や親族に糖尿病や心筋梗塞、脳卒中などを起こした人が多い
  • 日常的に喫煙習慣があり、タバコを吸う
  • 普段から体を動かす習慣はほとんどなく、インドア派だ

すべての項目に当てはまっている人は、既に軽度の動脈硬化を発症しているか、いつ発症してもおかしくない動脈硬化予備軍の可能性が高いです。
上記を参考に、自身の体の状態と生活習慣を一度チェックしてみましょう。

動脈硬化の予防に役立つ食べ物はある?

動脈硬化の予防に効果的な食べ物と栄養成分としては、以下が挙げられます。

動脈硬化予防に良いとされる食べ物と栄養成分

  • 良質なタンパク質が摂れる、魚介類や大豆製品
  • 食物繊維の多い豆類、野菜、海藻類
  • ビタミン類(A・C・Eなど)が豊富な色の濃い緑黄色野菜

逆に、塩分濃度が高く高血圧の一因となりやすい味の濃いもの、脂肪と糖が多く血中のコレステロール値を高くする揚げ物やお菓子は、避けるようにしてください。

動脈硬化予防のために控えるべき食べ物の具体例としては、以下があります。

  • 塩分濃度が高いかまぼこ、はんぺんなどの魚介の練り物
  • 塩分濃度が高いハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工食肉
  • 脂肪分が高いバター、生クリーム、肉の脂身などなどの動物性油脂
  • 糖分の高い洋菓子、揚げ菓子、アルコール
  • コレステロール値を上昇させる油が多い料理、または揚げ物

あわせて、肥満を避けるために自分の身長・体重にあった適正なエネルギー量を、理解したうえで食事から摂取することも非常に重要です。
でき得る限り動脈硬化を予防するためにも、上記を参考に日々の食事・生活の習慣を少しずつ改めていってくださいね。

おわりに:動脈硬化は薄毛の一因にも!日々の食事から発症を予防しよう

血管の内側に出来物のようなものができ、血液の通り道を狭めてしまう動脈硬化になると、血行不良から薄毛を発症・加速させてしまうことがあります。
薄毛にならない、そして血管を詰まらせず全身にしっかり血液を送り続けるためにも、動脈硬化予防は大切です。動脈硬化は日々の生活習慣によって発症するケースが多いので、この記事を参考に食事の内容や習慣を見直し、できるところから予防に努めてくださいね。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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