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テストステロンの低下が肥満を招く?肥満と男性ホルモンの関係性とは

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年齢を重ねるとともにおなかが出てきて、肥満に悩むようになる男性は多いですよね。
女性に比べ、おなか周りを中心に内臓脂肪が溜まりやすい傾向のある男性の肥満には、男性ホルモンの分泌量が関係していることがあります。
今回は、主たる男性ホルモンであるテストステロンと肥満の関係について解説します。

男性ホルモンが少ないと、肥満になりやすいの?

主に睾丸で作られるテストステロンや、テストステロンから代謝して生成されるジヒドロテストステロンなど男性ホルモンは、男性の健康維持にかかせません。
男性ホルモンは生殖機能の調整や精子を作り出すのはもちろんのこと、骨格筋を増強して引き締まった筋肉質な体をつくり、体を健康に保つ重要な働きを担っています。

このため、ストレスや加齢によりテストステロンなど男性ホルモンの分泌量が低下すると、男性らしい体つきを維持することが徐々に難しくなってくると言われています。
実際、男性ホルモン量の低下で起こる男性更年期治療のために病院を訪れた患者のうち、テストステロン量が減るほど内臓脂肪がつきやすくなる傾向が見られたと報告されています。
このように、男性に多い内蔵型肥満は、テストステロンなど男性ホルモン減少の影響を少なからず受けて、起こっている可能性があるのです。

肥満がテストステロンを減少させている可能性も?

男性が肥満状態になると、体内で分泌されるホルモンや物質のうちインスリン、炎症性サイトカイン、アディポネクチン、テストステロンに以下のような増減が現れます。

肥満によって分泌量が増えるもの
  • インスリン(血中から糖を取り出して代謝させ、血糖値を下げるホルモン)
  • 炎症性サイトカイン(体に起こった炎症を強める作用のある物質)
肥満によって分泌量が減るもの
  • アディポネクチン(脂肪の燃焼を促す働きのあるホルモン)
  • テストステロン

上記から、肥満状態になると脂肪の燃焼を促進するホルモンと一緒に、テストステロンの分泌量まで減ってしまうことがわかります。
男性の肥満は、ストレスや加齢によるテストステロンの減少が引き起こすも原因であると同時に、テストステロンが減る原因でもあるということです。

テストステロンを増加させることはダイエットにも役立つ!?

近年の研究により、テストステロンの分泌量が筋肉の肥大や増強、そして糖の代謝を促進する作用があることがわかってきました。
一般的に、男性のテストステロンの分泌量は20代をピークとし、30代以降はゆっくりと下降し減り続けていきます。

中年以降の男性が、20代と同じように運動や筋力トレーニングや食事をしても肥満になりやすくなるのは、テストステロン量の変化が大きく影響していると考えられます。
テストステロンの量は、生活や食事習慣の改善とあわせて、適度な運動や筋力トレーニングで筋肉を刺激することで、徐々に増やすことが可能です。

つまり、男性の肥満とテストステロン量の低下を同時に解消するには、適度な運動をして筋肉を刺激し、筋肉とテストステロン量を一緒に増やすのが効果的なのです。
肥満による体形のくずれや、性機能や意欲の低下を感じている男性は、ダイエットを兼ねて有酸素運動や筋トレを始めることをおすすめします。

病院で体内のテストステロン量を測定してもらい、医師の指示のもと適性の350~1000ng/dlにまで増やせるよう、頑張ってみてください。

おわりに:テストステロンの低下と男性の肥満は、相互に関係している

テストステロンに代表される男性ホルモンの分泌量が一定を下回ると、筋肉量が減って内臓脂肪が増え、男性肥満の一因となります。また肥満もテストステロンの分泌量に影響しており、肥満状態がテストステロンの分泌量を減らすことも分かっています。
肥満とテストステロン量の低下を同時に解決するには、筋肉を刺激して増強する筋トレや有酸素運動が効果的です。肥満と意欲の低下に悩む男性は、運動をしてテストステロンの分泌量回復と肥満解消の努力をしてくださいね。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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