薄毛と栄養の関係性 ― 亜鉛が薄毛に効くって本当?
食生活を見直すことは薄毛の改善につながる、という話を耳にしたことはありませんか。では実際にどのような栄養を摂れば良いのでしょう。今回は髪の毛の成長に役立つ栄養素について詳しくご紹介します。
薄毛対策で重要な栄養素とは?どんな食べ物に含まれているの?
髪の毛の成長に必要な栄養素は、「タンパク質」「ミネラル」「ビタミン」といわれています。以下にそれぞれの栄養素についてご紹介します。
タンパク質
髪の毛の主成分は「ケラチン」というタンパク質からできています。そのため、タンパク質が不足すると抜け毛や薄毛、また髪の毛が細く短くなりやすくなります。
タンパク質を多く含む食べ物には、赤身の肉、牛乳などの乳製品、レバーなどがあります。
ミネラル
ミネラルは体内でつくることができない栄養素のひとつです。
髪の毛に必要なミネラルは、主に亜鉛とヨウ素といわれ、亜鉛には薄毛の原因といわれる5αリダクターゼを抑制する効果があるといわれています。
またヨウ素には、新陳代謝に関わっている甲状腺ホルモンのはたらきを整えるといわれているため、髪の毛の健康を保つ効果が期待できます。
亜鉛を多く含む食べ物には生カキや煮干し、ヨウ素を多く含む食べ物には海藻類、卵やバターなどがあります。
ビタミン
ビタミンもミネラル同様、体内ではつくることができないため、食事から摂取しましょう。中でもビタミンB群やビタミンAなどは、薄毛に効果が期待できるといわれています。
ビタミンB群は細胞の代謝を促進させ、頭皮の環境を正常に整えるはたらきがあり、ビタミンAは細胞の酸化を抑え、髪の毛の健康を保つはたらきがあるとされています。
ビタミンB群を多く含む食べ物にはレバー、サバなどの魚類、ビタミンAを多く含む食べ物には卵や乳製品などがあります。
アミノ酸が薄毛改善に大切な理由は?
髪の毛の主成分である「ケラチン」は何種類ものアミノ酸から構成されています。体内には20種類のアミノ酸があるといわれていますが、そのうちの9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれ、体内で合成することができません。そのため、食事などから摂取する必要があります。
必須アミノ酸などのアミノ酸が体内にで不足すると、髪の毛に十分な栄養が行き届かず、薄毛につながりやすくなるといわれています。
また「シスチン」は、髪の毛を構成するケラチンに最も多く含まれるアミノ酸であり、「メチオニン」という必須アミノ酸の1種が、このシスチンの材料になります。
このようにアミノ酸は相互にはたらいて他のアミノ酸を作っているものもあるため、どれか1種類だけを摂取してもあまり意味がありません。バランスよく、さまざまな種類のアミノ酸を摂ることが頭皮の環境を整えることにもつながります。
食事からの摂取が難しい場合にはサプリメントを上手に活用してバランスよくアミノ酸を摂るようにしましょう。
亜鉛だけで薄毛が改善することはない?
亜鉛は、ケラチンが髪の毛を構成するときに手助けをする役割をもっています。また亜鉛は、AGAの主な原因といわれている男性ホルモンの「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成に大きく関わる、5αリダクターゼのはたらきを抑制する効果があるといわれています。
そのため、亜鉛が多く含まれる牡蠣などを摂取することが頭皮環境の改善に役立つと考えられています。
ただし過度な摂取は健康に悪影響を与える可能性があるため、成人男性では約45mg、成人女性の場合は約35mgと上限量が決められています。
過度な摂取は避け、必要量を適度に摂るよう心掛けましょう。
また亜鉛だけではなく、亜鉛の吸収を助けるクエン酸やビタミンCと一緒に摂るとより効果的といわれています。
ただし、亜鉛を摂取するだけで薄毛が改善するわけではありません。睡眠やストレスの問題などを改善し、バランスよく食事をとるようにするなど、生活習慣全体を見直す必要があります。
おわりに:食生活を改善し、薄毛対策につなげよう!
食事やサプリメントなどから髪に良いといわれる栄養を摂ることで、薄毛の改善には効果的です。ただし、薄毛の原因にはストレスなど、さまざまな原因が絡み合っています。あくまでも食生活は薄毛のひとつの原因と捉え、できることから見直していきましょう。