男の冷えは、更年期が原因かも?対処法はある?
冷え性といえば、女性だけの症状だと思っていませんか?実は、女性だけでなく男性にも更年期の症状が現れることはあるのです。では、男性の冷え性はどんなことが原因で起こるのでしょうか?
また、男性更年期障害が冷え性の原因になることもあるのでしょうか?そして、冷え性に対処する方法にはどんなものがあるのでしょうか?
男の冷え性の原因は?
「冷え性」というと女性の症状というイメージが強いですが、男性でも手足や足先が冷たくなる「冷え性」になることはあります。冷え性は生活習慣によって起こり、美容師や店舗スタッフなどの立ちっぱなしの仕事に限らず、デスクワークなどの座り仕事をしている人も冷え性を発症する人が多いです。システムエンジニアやデザイナーなど、長時間パソコンと対峙している人は特になりやすく、注意が必要です。
これは、冷え性の原因が「運動せずに長時間同じ姿勢で居続けること」によって、下半身、主に足に血液が溜まって循環しないことだからです。足の冷たさは不眠の原因にもなり、血流の悪さから頭痛や腹痛などを引き起こす可能性もあります。また、冷えから血管が収縮し、一時的に高血圧になってしまう危険性もあります。
冷え性かどうかをチェックしよう
単に手足が冷たいだけでなく、次のような体の不調や変化も冷え性の症状です。当てはまるものが多ければ冷え性と考えられます。自分で体を触ってみたり、状態を鏡で見たりしながらチェックしていきましょう。
- 手のひらを首のうしろやお腹、腰、足首に当てると、温かく気持ちいいと感じるところがある
- 肌荒れ・吹き出物・シミ・シワができやすい
- 貧血気味である
- 咳や鼻水・涙・痰が出やすい
冷え性は血液の巡りが悪くなっている状態であるため、内臓の働きが低下したり老廃物がうまく排出されなくなってこのような症状が生じます。体に水分が溜まってしまい、皮膚細胞が再生・回復されにくく、肌荒れやシミ・シワができやすくなります。また、体温が低下してしまうため、上昇させようとして体内の水分の代謝や排泄が促され、アレルギー反応である咳やくしゃみ、鼻水や涙が出ることもあるのです。
男性更年期が「冷え」の悩みを引き起こしているかも!?
男性の更年期障害である「LOH症候群」は、男性ホルモンであるテストステロンが減少することで起こる不定愁訴のことを言います。症状の特徴にはうつ症状や気力・性欲の低下、ほてり、冷えなどがあります。つまり、手足の冷えは単なる冷え性ではなく、LOH症候群が原因となって起こることもあるのです。
冷え性以外にも、以下のような症状に当てはまる場合は、LOH症候群の疑いが強いと考えられます。
- 最近、仕事の能力や効率が低下してきたと感じる
- 最近、運動能力や気力が低下してきたと感じる
- 夕食後にうたた寝をしてしまう
- 髭の伸びが遅くなってきた
- 憂鬱になったり、怒りっぽくなってきた
- 何をやっても楽しくないと感じる
- 身長が低くなってきた
- 体力や筋力が低下してきたと感じる
- 性欲がなくなってきた
- 自分の絶頂期はもう過ぎてしまったと感じる
これらのうち、3つ以上が「はい」である場合、または著しい性欲の低下や勃起障害がある場合はLOH症候群である可能性が高いです。ぜひ、一度医療機関で検査してみましょう。
男の冷えを改善する対処法とは
男性の冷え性を改善するためには、「衣類」「食事」「運動」「風呂」の4つのポイントがあります。特殊なことをする必要はなく、日常生活の中で気をつけられるポイントについてご紹介します。
- 衣類に気をつけよう
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- 冷えとりのためには、単なる厚着ではなく目が詰まって空気が出入りしにくいものを選ぶ
- ウールやフリース、カシミヤなどの素材がおすすめ
- コートは丈が短すぎず、締めつけで血流が悪くならないようにゆったりとして膝下の長さで、軽めのものを選ぶ
- 首にはマフラーを巻き、冷気が逃げるのを防ぐ
- 体を温める食材を摂取しよう
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- ショウガなどのスパイス、カボチャやニンジンなどの根菜類を積極的に摂る
- 男性ホルモンを増やす玉ねぎを摂取するのもおすすめ
- 外食や一品だけの料理など、バランスの悪い食事や冷たい飲み物・食べ物を避ける
- 適度な運動をする
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- 通勤時間に軽くウォーキングやジョギングを行う
- エレベーターでなく階段を登る、買い物に行くときは歩くなど日常生活に運動を取り入れる
- 寒い中で激しい運動をすると体に負担がかかるため、ウォーミングアップが重要
- テストステロンを増やすための筋トレを行う
- 寝る前に体の冷えを残さないようにしよう
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- 38〜40℃のぬるめのお湯でゆっくりと入浴する
- 寝る前に5分程度簡単なストレッチを行う
冷えの原因が男性ホルモンの減少による更年期障害から来る場合、特に玉ねぎを摂取してテストステロンを増やすのがおすすめです。玉ねぎには、硫化アリル(アリシン)が含まれていて、血液をサラサラにして血栓を防ぐほか、テストステロンの合成を促進する働きがあるのです。
また、テストステロンを増やすためには筋力トレーニングや、適度な有酸素運動も効果的です。筋力トレーニングは筋肉からのテストステロンの分泌を増やしてくれ、有酸素運動は脂肪の燃焼を助けます。脂肪はテストステロンを分解してしまうアロマターゼという酵素を分泌してしまうため、脂肪を減らすことでテストステロンの減少を止めることができます。
これらの工夫を日常生活に取り入れ、上手に冷えを取っていきましょう!
おわりに:男性更年期障害が冷え性の原因にもなることもある
冷え性は女性だけでなく、男性にも起こりうる症状です。しかし、その原因は血流の働きが悪くなることだけでなく、男性更年期障害(LOH症候群)の症状の一つである場合もあります。
冷え性は、日常生活の中でちょっとした工夫を心がけることで対処できます。また、LOH症候群が疑わしい場合はテストステロンを増やす食物を摂取したり、運動したりすることも重要です。