円形脱毛症の原因とは!?どんな状態のときに病院へ行くべき?
老若男女問わず起こる髪のお悩みといえば、「円形脱毛症」です。10円ハゲを自分で発見したり美容師さんに指摘されたり、見つけたときはショックを受けることもありますよね。
今回は円形脱毛症と病院での治療について説明しています。
円形脱毛症の原因はわかっていない!?
円形脱毛症の代表的な症状は、頭皮に10円玉程度から500円玉程度の円形や楕円形の脱毛が生じることです。
ただ、症状が進行すると脱毛は頭皮全体に広がっていく場合があり、まつ毛や眉毛など、頭髪以外の体毛が脱毛してしまうこともあります。
原因は解明されていませんが、下記のような説が有力とされています。
円形脱毛症の原因と考えられること
- 自己免疫疾患
- 近年、有力とされている考えです。免疫システム(体外から浸入してきた異物やウイルスから体を守る機能)に異常が生じ、自分自身の体を攻撃してしまう疾患を「自己免疫疾患」といいます。免疫機能を担当するTリンパ球が毛根を攻撃することで、その周辺にある細胞やたんぱく質が破壊され脱毛を引き起こすと考えられます。
- 遺伝
- ある調査によると、一親等(親と子)に円形脱毛症を発症した人がいる場合、二親等以上の関係と比較して発症率が約十倍であると報告されました。そのため円形脱毛症には遺伝的要因を有するのではないかと指摘されています。
- アトピー性皮膚炎
- 円形脱毛症の患者のうち約40%が何らかのアトピー性疾患を持っているといわれています。しかし検証はまだ十分とはいえず、今後の研究成果の報告に注目したい要因のひとつです。
従来はストレスが円形脱毛症の大きな原因だとされていましたが、乳児にも症状がみられることから、そのほかの要因の可能性が示唆されています。
また、出産後の女性が円形脱毛症を発症することがあります。これは妊娠と出産による女性ホルモンの急激な増減やライフスタイルの変化が関係しているのではないかと考えられています。
初期症状は?どんな変化に気をつければいい?
円形脱毛症の初期症状の特徴として、兆候なく急に脱毛が始まることが挙げられます。できるだけ早く治療を始めた方が回復するケースが多いとされていることから、早期発見・早期治療が重要です。下記のような初期症状や発症素因がないか、見落とさないようにしましょう。
円形脱毛症の初期症状
- 起床時、枕に抜け毛が多くみられる
- 抜けた髪の毛根が細くとがっている(根本にふくらみがない)
- 髪を引っ張ると、痛みもなく簡単に抜ける
- 頭皮に地肌が見える箇所がある
- 爪の表面に凹凸ができる。爪の色が黄色く変色する
- アトピー性疾患を患っている。アトピー性皮膚炎が頭皮にあらわれる
円形脱毛症の治療方法は?
円形脱毛症の治療方法は、症状が発生した場所や程度によって5種類に分けられます。いずれも症状が進行するおそれがありますので、早期の治療開始が重要です。
根治は難しい病気ですが、適切な治療を続けることで改善がみられることも少なくありません。
治療方法には
- ステロイド注射
- セファランチン、グリチルリチン、メチオニン、ステロイド薬の内服
- 塩化カルプロニウム、ミノキシジルなどの外用
- ドライアイスや窒素を使った冷却治療
- PUVA治療法、ナローバンドUVB療法、エキシマレーザー療法などの紫外線治療
などがあり、状態によって組み合わせて治療が行われることもあります。
また、食生活の改善や適度な運動、シャンプーの見直しなどを併行することで改善がみられるケースもあるので、担当医に相談しながら、自分にあった治療法を見つけて根気よく治療を続けていきましょう。
おわりに:円形脱毛症は初期症状を見逃さず、早期治療を!
円形脱毛症は前触れなく突然発生してしまう脱毛症です。気になる初期症状や思い当たる発症素因があるときはすぐに医療機関を受診し、早期に治療が始められるようにしてください。また、最後まできちんと治療を続けることが大切です。自己判断で治療を中止せず、医師の指示に従い適切な治療を続けていきましょう。