ED(勃起不全)の原因とは?深刻な病気が原因のこともあるの?
ED(勃起不全)は、精神的なものが原因と考えている人も珍しくありません。しかし実際は病気や薬の副作用などでも起きることがわかっています。今回は、EDが起きる主な原因などをご紹介します。
そもそも、ED(勃起不全)ってどういうこと?
EDとは「Erectile Dysfunction」の略で、「勃起不全」または「勃起障害」のことをいいます。十分な勃起が起こらない、もしくは維持できないために満足のいく性行為ができない状態を意味します。
正常に勃起が起きる場合、脳が性的刺激を感じると、神経を通って男性器の陰茎に伝わります。すると、陰茎海綿体と呼ばれるスポンジ状の組織の動脈が拡大して血液を溜め込み、大きく膨張して硬くなっていきます。
つまり、十分な性欲・神経の伝達・陰茎への十分な血液の流入の3つが全て満たされることによって、このような正常な勃起が起きると考えられています。
このうちのどこかが上手くはたらかない場合、EDになります。たとえば、勃起することを伝える神経にダメージがあると、硬くなるまでに十分な勃起を保つことができなかったり、硬くなるまでに時間を必要としたりします。また、何らかの原因で血管が拡大せず、陰茎に血液が十分に流れ込まないことでもEDが起こる可能性があり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病や、前立腺がんなどの手術によって神経や血管が損傷することでも、EDになることがあります。
EDの主な原因とは?
EDになる主な原因として、次のようなものが考えられます。
心理的な影響
結婚生活が上手くいっていない、毎日疲れているなど、精神的なものが影響してEDになることがあります。この場合はカウンセリングなどを通して治療をすれば、比較的早く回復することが知られています。また幼い頃の性的なトラウマなどが原因で起きることもあります。この場合は無意識で感じていることもあるため、原因を突き止めるまでに時間がかかり、治療が長引くケースもあります。
そしてEDの患者さんがうつ病を発症する割合は、EDではない人と比べて約3倍になるという報告もあります。反対にうつ病の患者さんはEDの発症リスクが高まるというデータもあり、うつ病とEDは相互に影響していることがわかっています。
日頃から十分に休息をとる、運動などでストレスを発散するなど自分に合ったストレス解消法を見つけ、できるだけ心の健康を保つことがEDの予防にもつながります。
病気(身体)の影響
EDは糖尿病や高血圧などの生活習慣病により、血管や神経がダメージを受けて起こることがあります。たとえば、糖尿病になると神経が損傷するだけでなく、十分に血管が拡張しないため、陰茎に血液が流入していかない場合があります。
また高血圧の状態が続くと血管に常に圧がかかり続けることになるため、血管が傷つきもろくなり、柔軟性が亡くなり内径も細くなっていくため、陰茎に十分な量の血液が流入しにくくなると考えられています。
そのほか、喫煙も血管を収縮する働きがあるため、陰茎への血流を阻害しEDになりやすくなるといわれています。
以上のことから、EDを防止するには、栄養バランスのとれた食生活を送る、喫煙は控える、適度な運動を心がけるなど、生活習慣病のリスクを下げるような対策が必要といえるでしょう。
EDを引き起こす病気とは?
正常に勃起するためには、性的刺激を身体のさまざまな神経が陰茎まで伝える必要があります。
脳出血や頭部外傷、また進行性の神経疾患であるパーキンソン病などで中枢神経の機能に障害が起こると、伝達が上手くいかず、勃起まで至らないことがあります。また動脈硬化などが原因で脳梗塞や心筋梗塞を発症すると、その初期症状としてEDがみられることもあります。
このように脳疾患や神経系の病気などによっても、EDとなる可能性があるのです。
他にも、前立腺がんなどの手術によって勃起の際に血液を溜め込む陰茎海綿体の血管や神経にダメージが及んだり、抗うつ剤や解熱鎮痛剤、また降圧剤などの副作用によってEDになることもあります。
一般的に若いうちは心理的な影響からEDになりやすく、年齢が上がるにつれて糖尿病などの生活習慣病や薬の副作用などによって発症する傾向にあるといわれています。
おわりに:EDはさまざまな原因で起きる可能性がある
EDはストレスをはじめ、糖尿病などの生活習慣病なども原因といわれています。日頃からストレスを発散する、規則正しい生活を送るなど、予防に努めましょう。