そのED、男性更年期障害が原因かも。セルフチェックしてみよう!
更年期障害というと女性特有の病気と思われがちですが、男性でも発症する可能性があります。今回は男性更年期障害の基本を説明しているほか、「男性更年期障害か」を判定できるようにチェック表を用意しています。必要に応じてセルフチェックも利用してみてください。
男性更年期障害(LOH症候群)とは?!
男性更年期障害の正式名称は「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」と言い、主に男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が減ることで発症する病気です。テストステロンは加齢とともに減少しますが、過剰なストレスなどでも減少します。そのため、高齢者だけでなく、若い方でも男性更年期障害を発症する可能性があります。
男性更年期障害にはさまざまな症状がある
男性更年期障害の症状は大きく「身体症状」、「精神症状」、「性機能関連症状」の3種類に分けることができ、代表的な症状には以下のようなものがあります。
- 身体症状
- 関節や筋肉の痛み、発汗・ほてり、睡眠障害など
- 精神症状
- うつ症状、不安感、イライラ、集中力の低下など
- 性機能関連症状
- 性欲低下、ED(勃起障害・勃起不全)など
さらに、男性更年期障害を発症すると、心血管疾患などを誘発する恐れがあります。なぜなら、男性更年期障害はメタボリックシンドロームの原因になり、それによって動脈硬化が進行するからです。このように男性更年期障害にはさまざまな症状が見られます。
男性更年期障害かどうかをチェックしてみよう!
男性更年期障害の診断で使われる質問紙を参考に、ご自身で男性更年期障害かどうかをチェックできるようにまとめました。下記の17項目の質問事項に対して、「なし=1」「軽い=2」「中程度=3」「重い=4」「非常に重い=5」として5段階で評価してください。
- 健康状態などに関して総合的に調子が良くない
- 関節や筋肉などに痛みを伴っている
- 運動や緊張と関係なく突然ひどく汗をかく
- 寝つきが悪い、眠りが浅いといった睡眠の悩みがある
- 日中によく眠気を覚えたり、疲れを感じたりする
- 不機嫌になりやすく、イライラしやすくなった
- 神経質になって、落ち着きがなくなった
- パニック状態などの不安感に襲われるようになった
- 疲れやすくなり、行動力なども低下している
- 筋力が低下している
- 落ち込み、悲しみなど、憂うつな気分が続いている
- 自分は「絶頂期は過ぎた」と感じることがある
- 自分は「力尽きている」「どん底にいる」と感じることがある
- ひげの伸びが遅くなっている
- 性的機能に衰えを感じている
- 早朝勃起(朝立ち)の回数が減っている
- 性行為が楽しくなかったり、性欲が低下したりしている
この合計点によって更年期障害の可能性が分かり、「17~26=異常なし」「27~36=軽度」「37~49=中程度」「50点以上=重度」の可能性があります。なお、このチェックはあくまでも目安なので、正確な診断のためには医療機関を受診してください。
男性更年期は治せる?
男性更年期障害はテストステロンの減少によって発症しますが、このテストステロンは一度減ってしまうと簡単には増えません。そのため、医療機関で適切な治療を受けつつ、セルフケアに取り組むことが大切です。
男性更年期障害の治療法は?
男性更年期障害の治療法には、たとえば以下のようなものがあります。なお、実際には症状の程度、テストステロン値などをもとに治療方法を決定します。
- 漢方薬治療
- 男性更年期障害の症状やうつ症状を和らげるための治療
- ホルモン補充療法
- 不足しているテストステロンを補うための治療
- カウンセリング
- メンタル面の症状を改善するための治療
治療期間については重症度や治療方法などによって異なりますが、治療開始から数カ月程度で治療の効果を実感できる方もいるようです。ただし、中には精巣機能が弱っている場合もあり、そういった方は継続して治療に取り組む必要があります。
男性更年期障害のセルフケアの方法は?
男性更年期障害のセルフケアには、たとえば適度な運動、十分な睡眠、食生活の改善などがあります。また、ストレスを発散する、趣味に打ち込む、異性と交流するといったことも大切です。特にテストステロンは孤立すると減ってしまうので、一人で過ごすよりは家族や友人などと一緒に過ごすように心がけましょう。
おわりに:男性でも更年期障害を発症する可能性があります!
男性ホルモンの1つである「テストステロン」が減少すると、男性にも更年期障害のような症状が見られます。ただし、一度発症すると自然治癒は難しいので、違和感を覚えたら早めに医療機関を受診するといいでしょう。