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男の若返りに必要な栄養素とは!?亜鉛以外にもあるの?

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男性の若々しさを保つために、亜鉛というミネラルが推奨されていることを知っている人は少なくないでしょう。では、なぜ亜鉛が男性の若々しさを保つ物質とされているのでしょうか?また、亜鉛以外にも若返りに効果的な栄養素はあるのでしょうか?

亜鉛が「男の若返り」に必要な理由

亜鉛には、新陳代謝やエネルギー代謝、免疫機構など、体内のさまざまな生命活動をサポートして正常に保つ働きがあります。

味覚を正常に保つ
人間は、舌にある「味蕾」という器官で味を感じています。味蕾の中には「味細胞」という味を感じる細胞があり、味細胞が正常に働くために亜鉛が必要です。
味細胞は、非常に短期間で次々に生まれ変わっているため、亜鉛を十分に摂取しておくことで常に味細胞を新しい細胞に保つことができます。
抗酸化作用
亜鉛は体内のビタミンAの代謝を促し、ビタミンAの抗酸化作用の活性化を促します。
過酸化脂質の害を防ぐため、アンチエイジングや生活習慣病の予防にも効果が期待されます。
免疫力の向上
亜鉛には粘膜を保護するビタミンAを体内にとどめ、のどの痛みや鼻水・鼻づまりなどの症状を緩和する作用があります。
細菌を攻撃する白血球にも亜鉛が含まれるため、免疫機能を活性化するために亜鉛は重要です。
成長・発育
タンパク質と亜鉛を合わせて摂取すると、全身の新陳代謝を活性化することができます。
逆に、新陳代謝には亜鉛が必要なため、特に成長期の子供で過不足なく摂取することが大切です。
髪や肌の健康維持
タンパク質の代謝には亜鉛が必要ですが、皮膚や髪を作っているタンパク質の代謝にも使われます。
亜鉛を十分に摂取することで、皮膚や髪の代謝を正常化させ、トラブルを改善することができます。
生殖機能の改善
亜鉛は男性の前立腺・精子に多く存在し、精子の形成に必要とされています。
うつ状態の緩和
感情のコントロールや、記憶力を保つために必要な神経伝達物質の生成には亜鉛が必要です。
亜鉛が体内に十分に存在すると、精神の安定や脳機能を高めることができるため、うつ状態を緩和するのに効果があると考えられています。

亜鉛は成人では体内に約2g(2000mg)存在するミネラルです。血液や皮膚を中心に、骨・筋肉・腎臓・肝臓・脳など、主要な臓器のほとんどに多く存在していて、タンパク質を合成するための酵素の材料になる成分です。このため、人体に必要とされる必須ミネラル16種類の1種に含まれていますが、体内で作り出すことができないため、食事から摂取しなくてはなりません

特に、亜鉛は皮膚の新陳代謝と大きく関わっています。このため、亜鉛が不足すると抜け毛の原因となることがあります。マウスによる動物実験では、亜鉛欠乏の状態にさせたマウスは明らかに毛が抜けていくことがわかっています。皮膚や髪は細胞分裂が盛んな部位ですから、亜鉛が不足すると古い髪が抜け落ちても新しい髪が作られにくくなるため、抜け毛が目立つことになります。

また、男性ホルモンであるテストステロンの合成や、精子の形成にも亜鉛は大きく関わっています。テストステロンが不足すると、性欲が低下したり勃起障害が起こったりすることがわかっています。アメリカでは亜鉛は「セックスミネラル」と呼ばれたりしているほど、男性機能と深い関係があると考えられているのです。

男性の若々しさは、豊かな頭髪や男性機能への自信から感じられることが多いです。毛髪の細胞分裂や、男性機能に大きく関わっている亜鉛は、男性の若々しさを保ってくれるミネラルであると言えます。

亜鉛不足になる原因って?

亜鉛は肉類や魚介類などに多く含まれています。そのため、偏った食事や極端なダイエットなど、バランスの悪い食事は亜鉛の摂取量が少なくなりがちです。さらに、食物繊維や青菜に含まれるシュウ酸という成分は、亜鉛の吸収を阻害する性質があるため、ベジタリアンやヴィーガンといった、肉や魚など動物性の食事を摂取しない人たちでは亜鉛不足が起こりやすく、注意する必要があります。

加工食品やレトルト食品に含まれるポリリン酸などの食品添加物も、亜鉛の吸収を阻害します。また、アルコールを代謝するための酵素は、亜鉛が材料となっています。さらに、アルコールは尿中への亜鉛の排出を促します。アルコールを摂取すると、亜鉛が消費されるだけでなく、亜鉛がどんどん排出されてしまうのです。

アスリートやスポーツ選手は、亜鉛不足に陥りやすいです。亜鉛は汗に多く含まれて排出されるため、発汗量が多くなるほど亜鉛の排出量も増加します。さらに、運動の強度が高い激しい運動を行うほど、体内で亜鉛を消費する量が増加することがわかっています。普段から頻繁にスポーツを行う人や発汗量の多い人は、食事やサプリメントで亜鉛を適宜補給し、亜鉛不足を防ぎましょう

亜鉛の摂り方のコツとは?

亜鉛は水溶性であるため、調理は短時間で行うか、汁ごと摂取できるよう、鍋やスープなどにするのが良いでしょう。特に、腸管吸収率が約30%前後とそう高くないミネラルですから、吸収を良くするためにビタミンCと一緒に摂取することが推奨されています。逆に、穀類や豆類に多いフィチン酸や青菜に多いシュウ酸は、亜鉛の吸収を妨げます。ベジタリアンの人を始め、野菜や穀類・豆類を摂取することが多い人は、特に亜鉛不足に注意が必要です。

また、摂取の頻度は一度にたくさん摂取するよりも、少量をこまめに摂取する方が吸収率が良いことがわかっています。サプリメントなどで補う場合も、含有量の多いものを1日1回よりも、含有量の少ないものを1日3回摂取するなどの方が有効です。

亜鉛を摂取することで効果があるのは、あくまで不足している人にとってということを忘れてはいけません。亜鉛が不足していない人が過剰に摂取しても効果は期待できないばかりか、過剰に摂取してしまうと副作用の危険があります。抗菌剤や利尿剤によって亜鉛を失いやすくなっていることもあるため、服薬中の薬剤がある場合は、医師とよく相談しましょう。

亜鉛が多く含まれる食品とは?

亜鉛が多く含まれる食品には、以下のようなものがあります。

100g当たりの含有量(mg)

  • 豚レバー…6.9
  • 牛もも肉(赤身)…4.4
  • 鶏もも肉(皮なし)…2.0/li>
  • 牡蠣…13.2
  • ほたて(生)…2.2
  • シジミ…2.1
  • うなぎ(蒲焼)…2.7
  • 高野豆腐…5.2

牡蠣やシジミなど、貝類には亜鉛が多く含まれるほか、レバーやもも肉などの肉類にも亜鉛は多く含まれています。これらの食材を適宜、食事の中に摂り入れていきましょう。

亜鉛の摂りすぎで副作用があるって本当?

亜鉛そのものの毒性は極めて低く、食事から摂取できるような量で副作用が起きることはまずありません。しかし、サプリメントや亜鉛強化食品などは、食事と比較して非常に高濃度で亜鉛が含まれており、1日に40mg以上(女性で35mg以上)を摂取すると貧血や胃の不調、銅の吸収阻害による欠乏症などの健康被害が生じることがわかっています。

また、1日に2000mg(2g)以上と大量に亜鉛を摂取すると、急性中毒を発症して悪心や嘔吐、食欲不振、下痢などの症状が起こる可能性があります。くれぐれも、サプリメントは摂りすぎないように注意しましょう。

老化の原因、酸化と糖化を防ぐ方法

40代前後から、「中年太り」と言われる症状が出てくる人は少なくありません。これらは長らく、運動不足と食べ過ぎが原因と考えられてきました。しかし現在、中年太りの主な原因は、老化によって体の細胞や器官が衰え、それぞれの機能が低下してしまったことが直接の原因であることがわかってきています。つまり、太らない体づくりをすることで、健康促進とともに美容面で若返りの効果が期待できるのです。

太らない体づくりのためには、基礎代謝量を増やすための運動を増やすことはもちろん、食事の内容や食べ方によって「酸化」「糖化」を防ぐことも大切です。

酸化を防ぐにはどうしたらいい?

体の「酸化」とは、活性酸素が発生し、細胞のさまざまな分子が酸化されることを言います。活性酸素は生命活動を行う度にどうしても発生してしまうものですが、人間の体にはこの活性酸素を毒性の低い物質に変え、除去してくれる酵素が存在します。

抗酸化酵素と呼ばれるこの酵素は20代をピークに、40代以降は明らかに減ってきてしまいますが、食事から意識的に抗酸化物質を取り入れることで減った分を補うことができます。そこで、抗酸化物質を多く含む以下のような食品を意識して摂取することが大切です。

  • βカロテン…ニンジン、かぼちゃ、ほうれん草など
  • ビタミンC…レモン、みかん、ブロッコリー、小松菜など
  • ビタミンE…アーモンド、ほうれん草、かぼちゃ、いわしなど
  • ポリフェノール…赤ワイン、ブルーベリー、ココア、緑茶、りんご、大豆など
  • フラボノイド…レタス、春菊、玉ねぎ、大豆、緑茶など

ビタミンCやビタミンEに抗酸化作用があることは、化粧品や美容液などに多く含まれることからもわかります。ただし、ほうれん草やブロッコリー、小松菜は青菜でありシュウ酸を多く含むため、亜鉛不足が気になる人は同時に亜鉛も意識的に摂取するようにしましょう。

おすすめの食材は、緑黄色野菜の王様としても知られるニンジンです。βカロテンのほか、食物繊維やビタミンB1、ビタミンC、鉄分、カリウム、カルシウムなど人体に必要なビタミン・ミネラルが豊富に含まれています。また、βカロテンは油と一緒に摂取すると吸収率が高まるため、野菜スティックを少量のオリーブオイルと塩で食べるのがおすすめの食べ方です。

糖化を防ぐ方法って?

「糖化」とは、体内に存在するタンパク質が食事から摂取した糖分と結合し、元のタンパク質とは違う「糖化タンパク質」という物質になって体内に蓄積してしまうことです。この「糖化タンパク質」は、体や肌の老化を早める原因となってしまい、太りやすい体を作ってしまいます。

糖そのものは体に必要なエネルギー源の一つですから、摂取しないのではなく、適量を穏やかに摂取することが大切です。食べ方に少し気をつけるだけで、体の過剰な糖化を防ぐことができます。

1回の食事には最低でも20分以上かける
食事から摂取した糖が血流によって脳に到達し、満腹中枢からサインが発されるのが約20分後です。
食事をしている最中に満腹中枢のサインを受け取るようにすることで、食事を過剰に摂取するのを防ぐことができます。
糖質の多い食材を摂りすぎない
穀類・芋類・甘味類は控えめにしましょう。睡眠の直前である夕食では炭水化物を抜くことも効果的です。
特に、白米・白パン・麺類・白砂糖など、精製された糖質を控えると良いでしょう。
食事と食事の間は6時間あける
朝食から昼食、昼食から夕食の間は6時間あけるのが理想です。また、夕食は就寝3時間以上前に終えることも大切です。
胃に食物が残ったまま寝ると消化に良くないだけでなく、吸収された栄養素が燃焼せずに脂肪として蓄積してしまいます。

おわりに:食材や栄養素、食事方法に気をつけ、若々しさを保とう

亜鉛は、頭髪や皮膚の新陳代謝に関わっているほか、男性機能の維持にも深い関係があります。そこで、抜け毛や男性機能の低下が気になる人は、亜鉛を意識して摂取することで若々しさを維持することができる可能性があります。

また、老化の要因となる「酸化」「糖化」を防ぐために、抗酸化物質の含まれる食材や食事方法を意識すると良いでしょう。日常生活に少しの工夫を摂り入れ、いつまでも若々しさを保ちましょう。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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