EDの原因が薄毛治療薬にあるって本当!?
性欲はあるのに、セックスに十分な勃起ができないことをED(勃起不全)と言います。
EDの原因にはさまざまな可能性がありますが、薄毛治療薬が原因で発症する可能性も指摘されています。
今回はEDと薄毛治療薬の関係について、わかりやすく解説していきます。
AGA治療薬でEDになることはほとんどない!?
いわゆる男性のハゲ・薄毛である「男性型脱毛症=AGA」の治療薬を使うと、その副作用としてED(勃起不全)を発症するという話は、一般的にも広く知られています。
たしかに、AGA治療薬の一種であるプロペシア®には、副作用として性欲減退や勃起不全を引き起こす可能性のある「フィナステリド」という成分が含まれています。フィナステリドは、もともと前立腺肥大症の治療薬として開発された薬で、大きくなりすぎた前立腺を縮小させる効能があります。
このため、正常な前立腺の人がAGA治療のためにフィナステリドを摂取した場合に、その効能が副作用として現れてEDを発症する可能性が指摘されているのです。しかし、実際にフィナステリドを摂取してEDを発症する可能性は非常に低いとされ、過去には使用者のうちわずか0.7%しか発症しなかったという報告もされています。
結論としては、AGA治療薬の使用でEDを発症する可能性はゼロではないものの、フィナステリドを直接原因として発症する確率はかなり低いといえるでしょう。
ポストフィナステリド症候群とは!?
プロペシア®の副作用によってEDを起こしても、そのほとんどはプロペシア®の使用を中止することで自然に改善していきます。
しかしまれにではありますが、プロペシア®の使用を中止してもフィナステリドの副作用が改善しないことがあり、このような状態は「ポストフィナステリド症候群」と呼ばれています。
ポストフィナステリド症候群は、EDに加え以下のような心身の症状を長期間にわたって伴う、男性特有の疾患のことです。
- 勃起不全(ED)
- 性欲減退
- 射精障害
- 疲労感や倦怠感
- 耳鳴り
- 抑うつ状態 など
ポストフィナステリド症候群を発症するのは、フィナステリドの副作用としてEDを発症した人のうち5%程度と、非常に少ない割合です。ただし、わずかではありますが、プロペシア®の使用でポストフィナステリド症候群を起こす可能性があるということは理解しておきましょう。
薄毛治療薬とED治療薬は併用できる?
フィナステリドを主成分とするプロペシア®には禁忌薬がないため、万が一副作用としてEDを発症しても、ED治療薬との併用が可能です。
具体的には、以下のようなED治療薬とプロペシア®を飲み合わせることができます。
- バイアグラ®
- シアリス®
- レビトラ® など
ただし、肝臓への負担が大きいプロペシア®とED治療薬の併用は、長期間続けると肝機能障害を発症させるリスクも伴います。
プロペシア®とED治療薬を併用する場合は、必ず事前に薄毛治療や男性機能を専門とする医師に相談するようにしてください。
おわりに:薄毛(AGA)治療薬でEDになるケースは、非常にレア
AGA治療薬のプロペシア®の主成分であるフィナステリドは、前立腺に作用してEDを引き起こす可能性があります。しかし、実際にフィナステリドの副作用としてEDを発症するケースは非常にまれで、使用者全体の1%未満とされています。また、万が一副作用でEDを発症しても、フィナステリドとED治療薬は併用も可能です。プロペシア®の使用、またED治療薬との併用に興味があるなら、まずは専門の医師に相談してみましょう。