酒でEDになるって本当!?デートのときに飲んでも大丈夫?
ネットなどで見かける「アルコールは男性ホルモンの値を下げる」「お酒を飲み過ぎると勃起できない」という情報は、はたして本当なのでしょうか? ここでは飲酒と男性ホルモン、そしてED(勃起障害)との因果関係について、詳しくご紹介していきます。
適量であれば、飲酒はEDに効果がある!?
男性ホルモンの代表とされるのが、テストステロンです。テストステロンは、筋肉や骨格の生成に関係するホルモンであると同時に、減少すればEDや性欲の減退にもつながることも確かです。しかし、このホルモンはいわゆる「男性らしさ」を司る一方で、「集団の中で自分を表現したり意思を主張する」上で、欠かせないホルモンとしても知られています。つまり、テストステロンは、人のやる気に関係するホルモンとしても関心の高まるホルモンなのです。
このテストステロンが、アルコールを飲むことで減少するという情報をネットなどで散見しますが、実は、これは全くの嘘です。それどころか、適量の飲酒であれば、男女ともにテストステロンを上げる作用があるのです。もちろん、大量の飲酒を継続的にした場合にはEDに悪影響が出る可能性もありますが、一般的な範囲の飲酒であれば、全く問題はないでしょう。つまり、お酒の飲み過ぎだけで勃起できないということはありません。
デートのときにお酒を飲んでも大丈夫?ED治療薬を飲んでいるときはどうすればいい?
また、ED治療薬を服用している人は、全くお酒を飲んではいけないと思っているケースもみられますが、これも間違いです。少量や適量であれば大丈夫ですし、アルコールには緊張を解く効果があるため、逆に勃起に良い影響をもたらすこともあります。「適量がわからない」ということであれば、普段の半分を目安に飲酒をすると良いでしょう。
ただし、くり返しますが、これはあくまでも適量のアルコールの場合です。ED治療薬は服用により血流が良くなるため、アルコールのまわりが早く、普段より酔いやすくなっています。また、酩酊するほど多量のアルコールを
摂取すれば、勃起に悪影響をもたらすだけでなく、それ以前に、どんなED治療薬も効果を失ってしまいます。したがって、確実にED治療薬の効果を感じたい場合は飲酒を控えるか、あるいは本当に少量、適量を心がけるようにしてください。
ただし、ED治療薬の中にはお酒の影響を受けにくいものもありますので、上記の点を踏まえた上で、医師に相談してみるのも良いでしょう。
飲酒自体より、普段の生活習慣の方が重要!
EDに関しては、アルコールとの関連性を不安視する前に、日頃の生活習慣との関連性を見直すようにしましょう。なぜなら、EDは糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が原因となり、血管が障害を受けて起こることがあるからです。
たとえば、日本人男性の糖尿病患者数は、その予備軍を含めておよそ138万人と推計されますが、糖尿病患者は、そうでない人に比べて約2倍もEDになりやすいということがわかっています。糖尿病は、生活習慣病の中でも、最もEDの起こる割合が高い疾患であるといえるでしょう。
これは、勃起が神経系と血管系が複雑に関わって起こることに起因します。糖尿病によって血糖値の高い状態が続くと、神経や血管が障害を受け、性的刺激が陰茎に伝わらない、血液が流れないなどの理由から、EDの症状が現れます。これと同じメカニズムで、高血圧、脂質異常症、心血管障害など、血液の循環に関連する生活習慣病を持つ人は、EDが起こりやすくなるのです。もちろん、喫煙もEDを引き起こす原因の一つです。
したがって、勃起機能を維持していくためには、普段から原因となり得る糖尿病などの予防、また生活習慣の見直しや喫煙などに、くれぐれも注意しましょう。
おわりに:飲酒によってEDになることはないが、くれぐれも「適量」を!
飲酒によってEDになることはないということ、逆に適量のアルコールであれば雰囲気作りやED 改善に効果があるということが、おわかりいただけたかと思います。ただし、「適量」とは、その人の体重、性別、年齢、あるいはアルコールの分解能力の違いなどによって、個人差があります。くれぐれも自分の体調と「適量」を頭に入れた上で、お酒を楽しんでくださいね。