男らしさの源「男性ホルモン」を増やす方法とは!?

ED

ホルモンとひとくちに言っても、約100種類以上のホルモンが私たちの体の中に確認されています。
そのなかでも男らしさの源とも称される男性ホルモンは、低下すると様々な症状や病気を引き起こします。
こちらでは、男性ホルモンの低下によって起こる体への影響と、男性ホルモンを増やす方法について説明していきます。

男性ホルモン(テストステロン)の低下で起こる症状とは?

男性ホルモンは20歳代をピークに迎えると、加齢とともに低下していきます。
男性ホルモンが低下することによって、性機能低下や精神神経障害があらわれることを男性更年期と呼び、症状には以下のようなものがあげられます。

  • 骨粗しょう症
  • 心血管疾患
  • 筋力低下
  • メタボリック症候群、肥満
  • 糖尿病
  • 高脂血症
  • ED(勃起不全)
  • 夜間頻尿
  • 認知機能や集中力の低下
  • だるい、疲れやすい
  • うつ

なかでもED(勃起不全)は、60歳代の日本人の60%以上に見られる症状です。

勃起のメカニズムには血管の機能と深く関りがあり、動脈硬化が進んで血流が悪くなると、EDが起こりやすくなります。
男性ホルモンは筋力や性機能に働くだけでなく、血管にも大きく影響しているのです。
陰茎の動脈はとても細いため、初期の動脈硬化でも影響があらわれやすく、男性ホルモン低下によるEDは、最初に自覚できる症状といえます。

また、EDは脳梗塞や狭心症の前兆ともいわれており、実際にこれらの発作を起こしたことのある人は以前からEDである確率が高いです。
女性は閉経によって生殖機能の終わりを迎えますが、男性ですと80代や90代になっても勃起をする人がいます。
EDを健康のバロメーターとして考え、男性ホルモンの低下を知るために、医療機関で定期的にホルモン値の計測をしましょう。

男性ホルモンを増やすにはどうすればいい?

男性ホルモンは約95%が睾丸の中、5%が副腎で作られており、原料はコレステロールといわれています。
まずはコレステロール不足にならないよう、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

ひとくち20~30回とよく噛むようにすると、ホルモンの働きを良くして、体脂肪の分解を促すようにしてください。
ゆっくり食べることで食べ過ぎを防ぎ、血糖値の急上昇も抑えられるので、男性ホルモン低下によるメタボリック症候群や肥満予防にも繋がります。

また、甘いものの摂り過ぎやアルコールはホルモンの分泌を抑えるので、控えめにすると良いでしょう。
適度な運動を行ない、ストレスをためずに自律神経を整えて、十分な睡眠をとることも大切です。
ホルモンの分泌は22時~2時の間に活発になるので、朝早く起き、早めの就寝を心がけましょう。

運動は通勤などの移動の際に、なるべく椅子に座らないようにしたり、エレベーターの代わりに階段を使うようにしたり、日常生活の中でコツコツ続けられるものから始めてみましょう。
そして、時間や余裕のある時にスポーツを行なうと、ストレス発散になっておすすめです。
規則正しい生活リズムで健康的な生活習慣を送って、ホルモンバランスを整えましょう。

男性ホルモンを増やしたら、薄毛にならない?

女性ホルモンが多いと聞くと、女性らしさを連想して良い印象を持つでしょう。対して、男性ホルモンが多い人は、薄毛になりやすいとイメージする人も少なくないと思います。

しかし、そのイメージは間違いです。男性ホルモンそのものに脱毛させる作用はありません。
女性ホルモンも男性ホルモンも、理想的な分泌量があり、その範囲内に収まっている場合は問題ありませんが、何らかの原因によってホルモンの分泌が過剰すぎたり少なすぎたりすると、体に様々な影響を及ぼします。

薄毛の主な原因は、ホルモンのアンバランスにより生じる症状のひとつです。
その他にも、遺伝による先天的な原因や頭皮の不十分な清浄で、頭皮に皮脂がたまって毛穴に汚れが詰まり、育毛サイクルがうまくいかないことで脱毛が増えたり、食生活・喫煙・過剰な飲酒などの生活習慣が影響したりして薄毛に繋がっていきます。

おわりに:男性ホルモンの維持は健康的な生活に繋がります

加齢とともに低下する男性ホルモンは、体の様々な場所に影響します。
最初に自覚しやすいEDをはじめ、以前よりも体の不調を感じたら、医療機関で男性ホルモンの値を測定してみましょう。
そして生活環境の見直しを行ない、男性ホルモンの増加に努めましょう。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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