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うつ病が原因のEDは改善が難しい!?治す方法はあるの?

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うつ病患者のED(勃起不全・勃起障害)を発症する確率は、そうでない患者に比べると約2.6倍も高いと言います。ただ、うつ病が原因のEDは改善が難しいようです。今回はうつ病とEDの関係性や、うつ病が原因のEDの治療法についてご説明します。

うつ病が引き起こすEDはセルフケアが困難?

ED(勃起不全・勃起障害)とは、性行為のために十分な勃起状態を得られない、または維持できない病気のことです。このEDのセルフケアには、一般的に食事内容を見直したり、ストレスを発散したりする方法があります。さらにED治療薬を使って改善を目指します。

しかし、EDの原因がうつ病にある場合は、セルフケアや治療は難しいといわれています。この理由には「うつ病が原因のED(心因性ED)」や「抗うつ薬が原因のED(薬剤性ED)」があるからです。特に「SSRI」という抗うつ薬には、ドーパミンを減少させる、射精を抑制させるなどの副作用があります。これらが関係するため、うつ病が原因のEDはケアが難しいのです。

うつ病からくるEDの治療はどうやってするの?

うつ病が原因のEDを発症した場合でも、治療を並行することができます。ただし、薬の組み合わせによっては改善が期待できなくなるので注意が必要です。それではED治療では「どのような薬を使うのか」や「どのように治療を進めるのか」について説明します。

うつ病によるEDの治療方法について

EDの主な原因は「PDE5(ホスホジエステラーゼ5)」という勃起を抑制する物質が多くなることにあります。そこで、ED治療ではそのPDE5の活性を抑制するために、「ホスホジエステラーゼ阻害薬」を使用します。通常はこの薬を使うことでEDの改善が期待できます。

しかし、うつ病によってEDを発症している場合は、同時に抗うつ薬も使う必要があるので注意が必要です。なぜなら、抗うつ薬である「SSRI」には、ED治療薬の作用を弱めるものもあるからです。そのため、ED治療薬と抗うつ薬の組み合わせが大事になります。

ED治療の進め方について

うつ病が原因のEDの場合も、基本的には「ホスホジエステラーゼ阻害薬」を使います。なお、うつ病治療を行っている方が、「ED治療を始めたい」場合はその旨を主治医に相談してください。その上でED治療薬を使用したり、抗うつ薬を調整したりすることが重要です。

また、自己判断で勝手に服薬を中断したり、調整したりしないようにしてください。仮に勝手に判断してしまうと、病気の改善が期待できない場合もあります。

テストステロンがうつ病やEDに関わっている!?

男性ホルモンの1つに「テストステロン」という物質があり、この分泌量がうつ病やEDの発症に影響しています。そこでテストステロンと病気の関係性や減少を防ぐための対策法について紹介します。

テストステロンの分泌量とうつ病・EDの関係

テストステロンは主に睾丸で作られていて、筋肉や骨などを強くする、精液を作るといった働きがあります。また、精神面にも作用して、挑戦心や競争心などを高めるのです。

そして、テストステロンの分泌量が少なくなると、うつ病やEDなどを引き起こす可能性があります。これはテストステロンの分泌量が減ると、やる気がなくなったり、勃起機能にも影響を与えたりするからです。特に40歳ごろから分泌量が減り始めるので注意が必要です。

テストステロンの減少を防ぐための対策法

テストステロンの減少を防ぐためには、「孤立を避ける」ことがポイントになります。なぜなら、「褒められない」、「承認されない」でいると、テストステロンが徐々に減少してしまうからです。そのため、一人で過ごすよりは、他の人と一緒に過ごすことが重要になります。

また、テストステロンを増やすためには、バランスのよい食事も重要になります。特にビタミンEやポリフェノールを含む食材や、乳酸菌を含む食品を取るのがおすすめです。

おわりに:うつ病とEDは同時に治療を進めることができます!

仮にうつ病とEDを併発したとしても、同時に両方の治療を進めることが可能です。ただし、抗うつ薬の中にはED治療薬の作用を弱めてしまうものもあるので、組み合わせには注意しなければなりません。まずは主治医に相談して、自分の状態に合った治療を行っていきましょう。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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