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「テストステロン」を増やす方法と、減ってきているサインとは!?

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「テストステロン」とは、男性ホルモンの一種で、男性機能や性欲などを司るホルモンと言われています。テストステロンは加齢とともに減っていくことが知られていますが、逆にテストステロンを増やしたい場合や、減ってきている兆候に気づくにはどうしたら良いのでしょうか?

テストステロンの働きって?

テストテロンには、大きく分けて5つの働きがあります。

  • 胎生期から生後6ヶ月の男児の発達
  • 思春期の二次性徴の発現
  • 骨格や筋肉の成長促進
  • 性欲・性衝動の亢進
  • 脳や精神面への影響

男児の胎生期において、テストステロンは重要な働きを担っています。妊娠6週目から24週目は、胎児にテストステロンが多く分泌され、男児の内生殖器の発達を促します。例えば、精巣は初めから体の外である陰嚢の中にあるわけではなく、この時期に体内から陰嚢へ降りてきます。この変化が起こるために必要なホルモンがテストステロンです。

この精巣の変化が起こらないと「潜伏睾丸」という状態になってしまい、生後、精巣が機能しなくなってしまいますから、生後に適切な処置を行う必要が生じます。なお、男児の外生殖器の京成に関与するのはジヒドロテストステロン(DHT)という別の男性ホルモンによるものです。

二次性徴における「陰毛が生える」「声変わりが起こる」「睾丸や陰茎が発達する」という男性的な特徴を発現するのもテストステロンの作用です。また、この時期に性欲が非常に亢進するのも、テストステロンの作用によります。異性を惹きつけるフェロモンと呼ばれる体臭を発生させたり、ドーパミンという興奮作用のある神経伝達物質を増やしたりします。

テストステロンは骨盤神経に作用して勃起を起こすなど、男性が性行為を行うために必要な「興奮」「勃起」などを次々に引き起こしていく働きもあります。これにより、性行為をスムーズに行うことができるようになります。

テストステロンは性的な作用だけでなく、男性らしい体づくりにも重要な役割を果たしています。思春期の二次性徴とほぼ同時に急に背が伸び、骨格と筋肉が発達した男性らしい体つきになる男児は多いですが、これには成長ホルモンだけでなくテストステロンも関与しています。テストステロンは適切な食事と運動が行われていれば、筋肉量の増加を促してくれる作用があります。

ただし、成長ホルモンとテストステロンなど男性ホルモンのバランスはとても微妙なため、思春期に体が成長している最中に男性ホルモンが異常に増えすぎるとかえって骨の発育が止まってしまい、身長が伸びにくくなったり、成長のバランスが崩れたりすることがあります。ですから、男性ホルモンや成長ホルモンを素人判断で投与したり摂取したりすることは絶対にやめましょう。

特に、アスリートの中には筋力や持久力の増強を目的に、ステロイドや男性ホルモンを過剰投与することがありますが、これは薬剤の副作用だけでなく、肝臓や腎臓などの代謝器官、心臓などに過度な負担をかけ、異常をきたす場合があり大変危険な行為として問題死されています。くれぐれも、一般的な思春期の男児が行うべきではありません。

脳や精神面への影響としては、生後2週間〜半年程度の間にテストステロンが男性的な性格の基盤を作るとされています。男性的な「攻撃性」「気の短さ」「怒りっぽさ」「決断力」などの思考パターンや物事の捉え方などに影響すると考えられています。これらは、大脳の性差と言われています。

また、テストステロンが脳や精神に与える影響として、「生きる活力」「気持ちの張り」といった、バイタリティを高める効果があるとされています。つまり、男女ともに人間的に前向きに生きるために重要なホルモンと言うこともできます。

テストステロンを増やすには、どうすればいい?

体内で産生されるテストステロンの原料となるのは、コレステロールです。ですから、コレステロール不足にならないよう、バランスよく適度なコレステロールの摂取が必要です。極端なダイエットや菜食主義でコレステロールを避ける男性は昨今、少なくありませんが、あまりにコレステロールが不足すると、テストステロンを産生することができなくなってしまう可能性があります。

コレステロールの過剰摂取ももちろん注意が必要ですが、ある程度はコレステロールもきちんと摂取するため、バランスのよい食生活を心がけましょう。また、コレステロールの摂取とともに運動することは大切です。肥満はテストステロンの分泌を下げるため、適度な運動を継続していくことが大切です。

その他、「十分な睡眠」「規則正しい生活」「ストレスを溜めない」なども、テストステロンの分泌量を維持し、増やすのに大切なポイントです。結局のところ、アスリートとまでは行かなくとも、運動選手に近いトレーニングと食生活、規則正しくストレスを溜めにくい生活習慣を送ることで、筋肉量と代謝を上げることが重要なのです。

こんな兆候に注意!テストステロンが減っているサインとは?

テストステロンが減少すると、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)の症状が現れてきます。

  • 朝立ちの減少や勃起不全(ED)
  • イライラや不安感、抑うつ、性欲の減退
  • 不眠・疲労感・無気力感
  • のぼせやほてり、多汗
  • 筋肉量の減少
  • 骨量の減少
  • 髭や体毛の伸びが遅くなる

これらの症状が見られる場合、テストステロンの減少に伴うLOH症候群の可能性があります。最近では、40〜50代の男性だけでなく、30代ぐらいの男性でもLOH症候群の症状が出る人が増えています。これは、30代半ばごろ〜40代前半の男性は、社会的に大きく立場が変化することも多く、ストレスに晒される機会が非常に多くなることが原因と考えられています。

男性ホルモンを初め、多くのホルモンでその生成・分泌にストレスが大きく影響することがわかっています。若い人ほどストレスの影響が強く、強いストレスに晒され続けるとテストステロンの生成・分泌が大きく妨げられます。こうして、30代であってもLOH症候群を発症してしまう人が増えているのです。

おわりに:テストステロンは「男性らしさ」を司る大切なホルモン

テストステロンは、男性の内生殖器だけでなく脳や精神にも影響を与えるホルモンです。バランスのよい食生活と運動や規則正しい生活によってテストステロンを増やし、かつ分泌量を減らさないために適宜ストレスの解消法を見つけましょう。

また、テストステロンの減少に伴うLOH症候群が疑われる場合は、生活習慣を見直してみましょう。それでも改善されない場合は、医師の指導を受けるのもおすすめです。

監修 : ソラリアクリニックグループ特別顧問、泌尿器科専門医、指導医、医学博士 古賀 祥嗣

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