EDは血管の老化が原因になるって知ってた?どうすれば防げる?
加齢とともに男性に起こりやすくなると言われるED(勃起障害・勃起不全)。
老化現象の1つとして捉えられがちなEDですが、動脈硬化など命の危機にもつながる血管の老化が原因になっていることを、知っていますか?
今回はEDと血管の老化の関係について、予防法もあわせて解説していきます。
血管の老化が、なぜEDを引き起こす?
EDのうち、特に50~60代にかけて起こる「器質性(きしつせい)ED」と呼ばれる勃起障害は、加齢による身体の変化から起こるものです。
年齢を重ねて身体が老化していく中で、ペニスに血液を送る動脈などの血管も、もろく硬くなって老化していきます。
勃起は、性的な刺激を受けて陰茎動脈に多量の血液が流れ海綿体を膨張させることで成立しますが、老化して硬くなった血管にはうまく血液が流れません。すると、海綿体に勃起に十分な量の血液がいかなくなるため、セックスが可能な程度の十分な勃起が得られなくなってしまうのです。
逆説的に考えると、血管の老化を防止することで加齢によるED防止効果が期待できるということです。
血管の老化を防ぐ方法はあるの?
血管の硬化や脆弱化を防いで老化を遅らせるには、日ごろの食事・飲酒・喫煙の習慣を見直し、動脈硬化を予防するのが効果的です。
以下に、動脈硬化・血管の老化を予防する方法を具体的に3つご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
《その1》食生活を見直し、肥満&生活習慣病を予防する
脂質や糖の過剰摂取は血液の流れを悪くし、溜まった沈殿物はやがて血管を硬くするため、偏った食生活や肥満は血管の老化を促進します。
食事は1日3回、規則正しくよく噛んで食べ、常に腹八分目を心がけましょう。
また、食事の回数や1回あたりの量、栄養バランスが偏ると満腹感を得られなくなるため、食事の時間は食べることに集中して味わうようにしてください。
《その2》高血圧&動脈硬化を加速させる、喫煙習慣を改める
タバコには、血管を収縮させて血圧を上昇させ、血管を硬く脆くして老化を加速させる作用が確認されています。
喫煙を続けていても、血管の老化やED症状の改善に良いことは何一つありませんので、まずは減煙から禁煙に向けた努力を始めてください。
《その3》肝機能の低下や動脈硬化を助長する、飲酒を控える
喫煙と同様、過度な飲酒の習慣も動脈硬化の原因となり、血管状態とEDを悪化させます。
1日当たりの飲酒量については以下を目安にして、1週間のうち最低でも2日は休肝日を設けて身体を休ませるよう習慣づけましょう。
- 1日あたりの適性なアルコール摂取量の目安
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- ビールなら500ml(ロング缶1本分)程度
- チューハイなら350ml(普通の缶1本分)程度
- ワインなら200ml(グラス2杯分)程度
- 焼酎なら100ml(グラス1/2杯分)程度
- 日本酒なら180ml(1合分)程度
- ウィスキーなら60ml(ダブル1杯分)程度
動脈硬化の人もED治療薬を使えるの?
バイアグラ®などの代表的なED治療薬には、一酸化窒素を増やして血管の筋肉を弛緩し、血管の柔軟性を高める作用もあります。
このため、服用することでEDだけでなく、ペニス周辺の血管の硬化・脆弱化などの老化症状の改善にも効果が期待できます。
ただし、ED治療薬は原則的には市販されていない処方薬ですので、服用するには医師による診察と薬の処方が必要になります。
特に、既に何らかの持病があって薬を服用している人などは、必ず持病や薬の内容を医師に相談して許可をもらったうえで、服用するようにしてください。
おわりに:ペニス周辺の血管が老化・硬化すると、EDになることもある
EDを発症する原因は人によってさまざまですが、50~60代の男性に多いのはペニス周辺の動脈が老化により硬化・脆弱化して起こる器質性EDです。動脈硬化を改善するには、食事と飲酒・喫煙の習慣を改め、血管の老化予防に努めるのが効果的です。また、バイアグラ®などのED治療薬には血管周辺の筋肉弛緩と血流改善効果もあるため、血管状態の改善効果も期待できます。気になる症状のある人は、まず泌尿器科の意思に相談しましょう。